3試合以上採点した選手のみ、採点記録を出します(全ての試合を採点したわけではないので)
GK
イケル・カシージャス(スペイン)(69.1/6試合)……王者スペインの最後の砦。6試合で失点1はお見事で、奇跡的なセーブで何度もピンチを救った。
ジャン・ルイジ・ブッフォン(イタリア)(65/5試合)……決勝での4失点がミソをつけた格好だが、それを除けば5試合で3失点。ノイアー、ハートなど新世代の台頭もあるが、カシージャスに次ぐ世界No2の座を死守した格好だ。
ジョー・ハート(イングランド)(68.3/3試合)……超ディフェンシブなイングランド代表の、最後の砦を守ったのはこのハート。傑出した反射神経は、世界でも屈指だ。
その他……ルイ・パトリーシオ(ポルトガル)、ノイアー(ドイツ)と、上位陣のGKはいずれも安定したパフォーマンスだった。彼らを選んでも良かったのだが、より活躍の機会の多かったハートを選出した。
ロリス(フランス)、アンデルセン(デンマーク)、ギブン(アイルランド)と、知名度の高い・低いに関わらず良質なGKがそろい踏みした大会で、唯一期待はずれに終わったのがツェフ(チェコ)か。2大会連続の致命的なファンブルからの失点は、言い訳ができない。
DF
ジョルディ・アルバ(スペイン)(66.6/6試合)……大会を通じて精力的なオーバーラップを見せた、スペイン期待の新星。とりわけ決勝での得点は、世界へ向けて名刺代わりの一撃となった。
セルヒオ・ラモス(スペイン)(61.6/6試合)……相棒のピケがイマイチ頼りにならない中、彼のフォローに走り回った。今大会ではファウルも少なく、ポルトガル戦ではSBのカバーリングでロナウドを抑えるなど、守備の要として大車輪の活躍。
ファビオ・コエントラン(ポルトガル)(67.5/4試合)……神出鬼没に中盤に出没したその動きは、到底SBの振る舞いではない。パス交換から前線にまで駆け上がる姿も散見された、偉大なるダイナモ。
ペペ(ポルトガル)(65/4試合)……レアル・マドリーではラフプレイで名を馳せるも、今大会ではクリーンなプレイでDF陣を牽引。ムラのあるブルーノ・アウベスをしっかりとリードした。
マッツ・フンメルス(ドイツ)(61/5試合)……確かにイタリア戦ではバロテッリにかわされた。だが、頼りにならない相棒のバドシュトゥバーを必死に盛り立て、確かな足技から正確なロングパスを繰り出したこのCBは、大いなる発見だったと言える。
ゲブレ・セラシエ(チェコ)(62.5/4試合)……傑出した試合はなかったものの、常に安定したパフォーマンスでチェコの右サイドをカバー。人種差別の標的にもされたが、その愚行を跳ね返す活躍ぶりだった。
マテュー・ドゥビュッシー(フランス)(フランスは採点漏れが多いため、採点は割愛)……4バックと3バックの中間のような、変則的な最終ライン。フランスがこのような最終ラインを敷いたのは、正確なビルドアップと、ウイングに匹敵する攻撃センスを併せ持った、ドゥビュッシーを活かすためだった。
その他……王者スペインの右サイドを締めたアルベロアは、その安定した守備力と、機を見た攻め上がりが光った。十分選出に値する活躍だったが、スペインばかりから選ぶのもなんなので、ここはドゥビュッシーに席を譲ってもらった。
また、イングランドの右サイドバック、グレン・ジョンソンはミルナーと連携しての攻撃参加が素晴らしかった。
フランスのメクセスは、相棒のラミが頼りにならない中で奮闘したが、出場停止によりスペイン戦に参加できなかったのが悔やまれる。
MF
シャビ・エルナンデス(スペイン)(70/6試合)……完璧なポゼッションを誇ったスペイン代表の中心。決勝での2アシストは、『本物』にしか出せない極上のキラーパスだった。
アンドレア・ピルロ(イタリア)(68/5試合)……シャビがスペインの核だとすれば、イタリアの核はこのピルロ。イングランド戦のPKは魔法のように、イングランドに向いていた空気を一変させてしまった。
サミ・ケディラ(ドイツ)(71/5試合)……ベスト4に終わったドイツ代表で、最も輝いた選手。レアル・マドリードで見せていた潰し屋としての顔ではなく、よりダイナミックに走り続け、攻撃センスも抜群であることを披露してくれた。
メスト・エジル(ドイツ)(70/5試合)……大会を通じて輝き続けたが、白眉だったのはギリシャ戦のパフォーマンス。ピッチを優雅に舞い、決定的なスルーパスを供給し続ける姿は、まさにファンタジスタの呼び名に相応しかった。
スティーブン・ジェラード(イングランド)(66.6/3試合)……ゴール前を10人で固める、イングランド流カテナチオでは攻撃に人数を割けないため、必然的に得点チャンスも限られる。そんな彼らのチャンスの大部分を演出したのは、正確無比なロングパスと、セットプレイキッカーを務めたジェラードだった。
ジョアン・モウチーニョ(ポルトガル)(63.75/4試合)……ポルトガルのバランサーであるモウチーニョは、実にクレバーで渋いプレイを見せてくれた。守備に重点を置きながらも、ここぞというシーンではきわどいパスを入れる。
ヨアン・キャバイェ(フランス)……スペインにこそ後れをとったが、イングランドを圧倒したフランスのポゼッションサッカーは、司令塔キャバイェが中心だ。ショート、ロングを蹴り分ける巧みなビルドアップが目立った。
その他……スペインのブスケッツは、堅固な守備を支えながらポゼッションにも貢献したスペインの要の一人。
波が激しかったとはいえ、ギリシャの魂を体現していたカラグーニス、フランスの防波堤となったアリュー・ディアッラ、小回りの利くチェコのテクニシャンコンビ、ピラージュとイラチェク。同じくチェコの守備のキーパーソンとなったヒュブシュマン、ダイレクトパスでイタリアの攻撃にアクセントを与えていたモントリーボらの名前を挙げておきたい。
FW
アントニオ・カッサーノ(イタリア)(63/5試合)……得点こそ1ゴールに終わったものの、持ち前のテクニックでイタリアの前線を引っ張った。
アンドレス・イニエスタ(スペイン)(71.6/6試合)……一度キープ体勢に入ったら、誰も彼からボールを奪うことはできない。世界一のドリブル技術で、サイドを席巻した。
セスク・ファブレガス(スペイン)(65/6試合)……攻撃の生命線であるポゼッションと、得点力を両立させた新システム、『ゼロ・トップ』はセスクの存在なしには完成しなかったに違いない。得点・アシスト、チャンスメイクと攻撃のあらゆる局面で存在感を発揮した。
ダビド・シルバ(スペイン)(64.1/6試合)……針の穴をも通すアイルランド戦の2点目や、決勝戦での先制ゴールなど、2年前には見られたひ弱さが消えたシルバは、レギュラーとして実に頼りになる選手へと成長を遂げた。
ナニ(ポルトガル)(67・5/4試合)……大会随一のサイドアタックを誇ったポルトガル。好不調の波が激しかったロナウドに比べ、波のないパフォーマンスでポルトガルの攻撃を支え続けた。
サルピンギディス(ギリシャ)(63.75/4試合)……開幕戦、彼の投入がギリシャのその後の運命を変えた。DFラインの裏を取る、ラインブレイクの技術は大会屈指で、強豪ドイツを相手にしても十二分に通用した。
その他……まず、得点王に輝いた5選手(ゴメス、トーレス、マンジュキッチ、ジャゴエフ、バロテッリ)はいずれも未選出。これは珍しい事態ではなかろうか。だが、彼らはいずれも得点以外での貢献度が高いとも、大会を通じて活躍し続けたとも言いがたい。
ベストプレイヤー選出ともなると、やはりグループリーグで敗退した国からはどうしても選びにくい。その中では、アルシャビン、クローン・デリなどが目を引くプレイを見せた。
フランスの攻撃を担ったリベリー、ルーニーに代わってイングランドを牽引したウェルベック、ギリシャ最前線の核サマラスの活躍にも触れておきたい。
ちなみに、Uefaの公式23選手も発表されました。赤字は、僕のベスト23と共通のプレイヤーです。
GK カシージャス、ブッフォン、ノイアー
DF ピケ、コエントラン、ラーム、セルヒオ・ラモス、アルバ、ペペ
MF デロッシ、シャビ、イニエスタ、ケディラ、ブスケッツ、エジル、ピルロ、シャビ・アロンソ、ジェラード
FW バロテッリ、イブラヒモビッチ、セスク、シルバ、ロナウド
GK
イケル・カシージャス(スペイン)(69.1/6試合)……王者スペインの最後の砦。6試合で失点1はお見事で、奇跡的なセーブで何度もピンチを救った。
ジャン・ルイジ・ブッフォン(イタリア)(65/5試合)……決勝での4失点がミソをつけた格好だが、それを除けば5試合で3失点。ノイアー、ハートなど新世代の台頭もあるが、カシージャスに次ぐ世界No2の座を死守した格好だ。
ジョー・ハート(イングランド)(68.3/3試合)……超ディフェンシブなイングランド代表の、最後の砦を守ったのはこのハート。傑出した反射神経は、世界でも屈指だ。
その他……ルイ・パトリーシオ(ポルトガル)、ノイアー(ドイツ)と、上位陣のGKはいずれも安定したパフォーマンスだった。彼らを選んでも良かったのだが、より活躍の機会の多かったハートを選出した。
ロリス(フランス)、アンデルセン(デンマーク)、ギブン(アイルランド)と、知名度の高い・低いに関わらず良質なGKがそろい踏みした大会で、唯一期待はずれに終わったのがツェフ(チェコ)か。2大会連続の致命的なファンブルからの失点は、言い訳ができない。
DF
ジョルディ・アルバ(スペイン)(66.6/6試合)……大会を通じて精力的なオーバーラップを見せた、スペイン期待の新星。とりわけ決勝での得点は、世界へ向けて名刺代わりの一撃となった。
セルヒオ・ラモス(スペイン)(61.6/6試合)……相棒のピケがイマイチ頼りにならない中、彼のフォローに走り回った。今大会ではファウルも少なく、ポルトガル戦ではSBのカバーリングでロナウドを抑えるなど、守備の要として大車輪の活躍。
ファビオ・コエントラン(ポルトガル)(67.5/4試合)……神出鬼没に中盤に出没したその動きは、到底SBの振る舞いではない。パス交換から前線にまで駆け上がる姿も散見された、偉大なるダイナモ。
ペペ(ポルトガル)(65/4試合)……レアル・マドリーではラフプレイで名を馳せるも、今大会ではクリーンなプレイでDF陣を牽引。ムラのあるブルーノ・アウベスをしっかりとリードした。
マッツ・フンメルス(ドイツ)(61/5試合)……確かにイタリア戦ではバロテッリにかわされた。だが、頼りにならない相棒のバドシュトゥバーを必死に盛り立て、確かな足技から正確なロングパスを繰り出したこのCBは、大いなる発見だったと言える。
ゲブレ・セラシエ(チェコ)(62.5/4試合)……傑出した試合はなかったものの、常に安定したパフォーマンスでチェコの右サイドをカバー。人種差別の標的にもされたが、その愚行を跳ね返す活躍ぶりだった。
マテュー・ドゥビュッシー(フランス)(フランスは採点漏れが多いため、採点は割愛)……4バックと3バックの中間のような、変則的な最終ライン。フランスがこのような最終ラインを敷いたのは、正確なビルドアップと、ウイングに匹敵する攻撃センスを併せ持った、ドゥビュッシーを活かすためだった。
その他……王者スペインの右サイドを締めたアルベロアは、その安定した守備力と、機を見た攻め上がりが光った。十分選出に値する活躍だったが、スペインばかりから選ぶのもなんなので、ここはドゥビュッシーに席を譲ってもらった。
また、イングランドの右サイドバック、グレン・ジョンソンはミルナーと連携しての攻撃参加が素晴らしかった。
フランスのメクセスは、相棒のラミが頼りにならない中で奮闘したが、出場停止によりスペイン戦に参加できなかったのが悔やまれる。
MF
シャビ・エルナンデス(スペイン)(70/6試合)……完璧なポゼッションを誇ったスペイン代表の中心。決勝での2アシストは、『本物』にしか出せない極上のキラーパスだった。
アンドレア・ピルロ(イタリア)(68/5試合)……シャビがスペインの核だとすれば、イタリアの核はこのピルロ。イングランド戦のPKは魔法のように、イングランドに向いていた空気を一変させてしまった。
サミ・ケディラ(ドイツ)(71/5試合)……ベスト4に終わったドイツ代表で、最も輝いた選手。レアル・マドリードで見せていた潰し屋としての顔ではなく、よりダイナミックに走り続け、攻撃センスも抜群であることを披露してくれた。
メスト・エジル(ドイツ)(70/5試合)……大会を通じて輝き続けたが、白眉だったのはギリシャ戦のパフォーマンス。ピッチを優雅に舞い、決定的なスルーパスを供給し続ける姿は、まさにファンタジスタの呼び名に相応しかった。
スティーブン・ジェラード(イングランド)(66.6/3試合)……ゴール前を10人で固める、イングランド流カテナチオでは攻撃に人数を割けないため、必然的に得点チャンスも限られる。そんな彼らのチャンスの大部分を演出したのは、正確無比なロングパスと、セットプレイキッカーを務めたジェラードだった。
ジョアン・モウチーニョ(ポルトガル)(63.75/4試合)……ポルトガルのバランサーであるモウチーニョは、実にクレバーで渋いプレイを見せてくれた。守備に重点を置きながらも、ここぞというシーンではきわどいパスを入れる。
ヨアン・キャバイェ(フランス)……スペインにこそ後れをとったが、イングランドを圧倒したフランスのポゼッションサッカーは、司令塔キャバイェが中心だ。ショート、ロングを蹴り分ける巧みなビルドアップが目立った。
その他……スペインのブスケッツは、堅固な守備を支えながらポゼッションにも貢献したスペインの要の一人。
波が激しかったとはいえ、ギリシャの魂を体現していたカラグーニス、フランスの防波堤となったアリュー・ディアッラ、小回りの利くチェコのテクニシャンコンビ、ピラージュとイラチェク。同じくチェコの守備のキーパーソンとなったヒュブシュマン、ダイレクトパスでイタリアの攻撃にアクセントを与えていたモントリーボらの名前を挙げておきたい。
FW
アントニオ・カッサーノ(イタリア)(63/5試合)……得点こそ1ゴールに終わったものの、持ち前のテクニックでイタリアの前線を引っ張った。
アンドレス・イニエスタ(スペイン)(71.6/6試合)……一度キープ体勢に入ったら、誰も彼からボールを奪うことはできない。世界一のドリブル技術で、サイドを席巻した。
セスク・ファブレガス(スペイン)(65/6試合)……攻撃の生命線であるポゼッションと、得点力を両立させた新システム、『ゼロ・トップ』はセスクの存在なしには完成しなかったに違いない。得点・アシスト、チャンスメイクと攻撃のあらゆる局面で存在感を発揮した。
ダビド・シルバ(スペイン)(64.1/6試合)……針の穴をも通すアイルランド戦の2点目や、決勝戦での先制ゴールなど、2年前には見られたひ弱さが消えたシルバは、レギュラーとして実に頼りになる選手へと成長を遂げた。
ナニ(ポルトガル)(67・5/4試合)……大会随一のサイドアタックを誇ったポルトガル。好不調の波が激しかったロナウドに比べ、波のないパフォーマンスでポルトガルの攻撃を支え続けた。
サルピンギディス(ギリシャ)(63.75/4試合)……開幕戦、彼の投入がギリシャのその後の運命を変えた。DFラインの裏を取る、ラインブレイクの技術は大会屈指で、強豪ドイツを相手にしても十二分に通用した。
その他……まず、得点王に輝いた5選手(ゴメス、トーレス、マンジュキッチ、ジャゴエフ、バロテッリ)はいずれも未選出。これは珍しい事態ではなかろうか。だが、彼らはいずれも得点以外での貢献度が高いとも、大会を通じて活躍し続けたとも言いがたい。
ベストプレイヤー選出ともなると、やはりグループリーグで敗退した国からはどうしても選びにくい。その中では、アルシャビン、クローン・デリなどが目を引くプレイを見せた。
フランスの攻撃を担ったリベリー、ルーニーに代わってイングランドを牽引したウェルベック、ギリシャ最前線の核サマラスの活躍にも触れておきたい。
ちなみに、Uefaの公式23選手も発表されました。赤字は、僕のベスト23と共通のプレイヤーです。
GK カシージャス、ブッフォン、ノイアー
DF ピケ、コエントラン、ラーム、セルヒオ・ラモス、アルバ、ペペ
MF デロッシ、シャビ、イニエスタ、ケディラ、ブスケッツ、エジル、ピルロ、シャビ・アロンソ、ジェラード
FW バロテッリ、イブラヒモビッチ、セスク、シルバ、ロナウド