Euro 2012

グループリーグ敗退国まとめ 

★クロアチア 1勝1分1敗 得点4 失点3 攻撃 B- 守備 B+ 面白さ B- 総合 B

注目選手 CF マリオ・マンジュキッチ(63.3/3試合)

大会随一の試合巧者という印象だ。
幸運に恵まれたアイルランド戦の快勝よりも、むしろイタリア戦の後半、そしてスペイン戦の後半に
彼らの強さが垣間見えた。
それは、スルスルといつのまにかペースを握ってしまうペースコントロールの妙。
そして前線に構えるマンジュキッチに送り込まれる質の高いロングボール、クロスだ。
スペイン戦の後半にはGKまで上がっての全員攻撃を敢行。
熱い男、ビリッチ監督の魂が伝わる名シーンだったと言える。

一方、やや不満が残るのは、サッカースタイルの転換だろう。
Euro2008のクロアチアは、ラキティッチ、モドリッチ、クラニツァルを中心に、足元の技術を活かしたテクニカルで華麗なサッカーを見せてくれていた。
今大会のクロアチアは、中盤のメンバーはさほど変わっていないにも関わらず、泥臭いフィジカルサッカーへと変貌を遂げていた。
スペイン戦の前半でも見せたような、相手の中盤を潰すサッカーだ。

闘志溢れる激しいサッカー自体を否定するつもりはない。
だが、華麗さを失ってしまったのは少々残念である。
天才モドリッチが本領を発揮したのは、スペイン戦最後の45分間だけだった。




★オランダ 0勝3敗 得点2 失点5 攻撃 C+ 守備 C+ 面白さ C+ 総合 B-

失態を晒したA級戦犯は、ファンマルバイク監督だ。
2010ワールドカップ当時から、オランダのサッカーはロクでもないものだった。
前線のタレント能力だけに頼り、デヨング&ファンボンメルのフィルターがファウルで相手の攻撃を叩き潰すだけ。
だが、そのワールドカップでオランダは数々の幸運に恵まれ、なんと準優勝をしてしまった。
ワールドカップ準優勝。しかも、決勝では延長までもつれるほどの激戦。
やっているサッカーはつまらなくても、このままでいいんだ。
そんな誤った確信が、今回のEuro敗退の直接の原因なのだ。
考えてみてほしい。
あのワールドカップで当たった相手は、デンマーク、日本、カメルーン。
トーナメント1回戦のスロバキア、準々決勝のブラジル戦では前半のうちに相手にレッドカードが出され、オウンゴールまであった。
準決勝のウルグアイ戦では、相手の2大エースの片割れ、スアレスが出場停止に。
そして本来オフサイドだったゴールが認められての勝ち抜けではなかったか。

しかし、今回の相手はデンマーク、ドイツ、ポルトガルである。
相手の出場停止にも、オウンゴールにも、退場にも頼れなければこの結果は必然だ。

ファンボンメル&デヨングの中盤が調子を落とし、フィルターがかからなかったこと。ファンブロンクホルストの引退で、サイドに穴が開いてしまったことにより、2年前よりも明らかに守備力が低下した。

そして攻撃陣。
僕自身が当時オランダをどう書いたか、興味があればお読みいただきたい。
2年前当時と攻撃の印象は、まるで変わっていない。
ロッベン、アフェライ(当時はエリア)、スナイデル、そしてファンペルシー。
各々の破壊力は抜群で、個人技だけでも十分に相手に脅威を与えることができるメンバーが揃う。
だが、彼らが有機的に連携することはほぼ皆無で、特に前線のファンペルシーの切れ味の悪さは目を覆うばかり。
未だファンニステルローイの穴は埋まっていない、とは2年前にも書いた。

それならいっそファンペルシーをウイングで起用して、CFにフンテラールを置いてみては?と、
予想記事で書いた記憶があるが、結局ファンマルバイクはファンペルシーと共に心中することを選んだようだ。


僕は、それでも今大会のオランダをベスト8と予想していた。
それは、ポルトガルの力を甘く見ていたからだ。
だが、ポルトガルは僕の予測を遥かに超えた良いチームだった。

一方、オランダは、予想通りのパフォーマンスだった。
これでは勝ち抜けないのも、無理はない。



★デンマーク 1勝2敗 得点4 失点5 攻撃 B- 守備 B+ 面白さ B 総合 B+

注目選手 GKアンデルセン(平均68.3点/3試合)
      CF ニクラス・ベントナー(65/3)
      WG クローン・デリ(65/3)

ドイツ、オランダ、ポルトガルの死のグループに組み込まれながら、大健闘を見せたといっていいだろう。
GKアンデルセン、CBのキアル、アッゲルを中心にした最終ラインが見事に踏ん張り、攻撃陣、中でも大事な場面で2ゴールを決めたクローン・デリの勝負強さと、最前線でエースの重責を担い期待に応えたベントナーの活躍は見逃せない。
中盤の底、クビストやジムリングも好選手であったし、シモン・ポウルセン、ヤコブセンのSBのオーバーラップも見応えがあった。

一方、パスがあまり巧くない最終ラインでの繋ぎは、繋ぐ意識が高いこともあって、不安定なパスミスが散見された。この大会では致命傷にはならなかったものの、これは2010年以来の悪癖である。
また、期待されていたエリクセン、ロンメダルは今ひとつで、特に前者の切れ味が悪かったのは残念ではあった。
何より、ポルトガル戦。後半42分までリードをしておきながら、ヴァレラの一発に泣いたあの試合。
あと3分(+ロスタイム)を踏ん張り、引き分けのまま終えていれば、べスト8に進出できていただけに、本当に悔やまれる失点だっただろう。

大会前、列強3ヶ国ばかりを注目していた人もいるだろうが、そんな人たちを見返すだけのパフォーマンスを
今大会のデンマークは見せてくれたように思う。



★ロシア 1勝1分1敗 得点5 失点3 攻撃 B+ 守備 B- 面白さ B 総合 B

注目選手 WG アンドレイ・アルシャビン(平均70点/3試合)
       WG アラン・ジャゴエフ(60/3試合)

グループAで最大の実力を持った国であり、実際その実力もある程度の部分までは出せていた。
故に早すぎる敗退と言っても言い過ぎではないだろう。
だが、対戦相手に恵まれたグループAを突破できなかったという事実は、やはり深くかみ締めるべきである。

チェコを相手に4-1と圧勝した、あれこそがロシアの真の姿だろう。特に前半のパフォーマンスは見事で、
4年前の強いロシアを今大会でも見られると期待したものだ。
続くポーランド戦、そしてギリシャ戦・・・・・・。不思議と、ロシアが悪かった印象はない。
ただ、エンジンがかからず、のらりくらりとしているうちにいつのまにか負け(あるいは分け)ていた。そんな印象だ。
選手個々で見れば、アルシャビン、ジャゴエフの両ウイングは十分に持ち味を発揮していたといえる。
また、両SBのジルコフ、アニュコフもまずまずで、彼らには合格点が与えられるだろう。
GKのマラフェエフも特に問題はなかった。

一方、物足りなかったのが自慢であるはずの中盤だ。
デニゾフ、シロコフ、ジリヤノフのゼニト所属の3センターはロシア最大の強みだったはずだ。
彼らが「らしさ」を見せたのは、チェコ戦の前半だけだった。シロコフはチェコ戦、デニゾフはギリシャ戦で及第点以上のパフォーマンスを見せてくれたが、あくまでも日替わり。常に良質なパフォーマンスを期待したかった。
最大の失望はCFのケルジャコフだろう。とにかく点が決められない。シュートが枠に飛ばず、ゴールから完全に見放されていた。

返す返すも、チェコ戦前半の45分。あのパフォーマンスだけを良い思い出に残し、ロシアは大会を去った。


★ポーランド 0勝2分1敗 得点2 失点3 攻撃 B- 守備 C+ 面白さ B- 総合 C+

ポーランドを端的に表現するなら「ガス欠」。これに尽きる。
良い時間帯は確かにあるのだ。その時間には、ブラシュチコフスキがどんどん突破してきたり、
レバンドフスキが存在感を発揮したりもする。
ところが、その時間は長く続かない。その時間を過ぎると、反動が来たかのように疲労困憊してしまうのだ。
無駄走りが多く、体力が足りない。そんな印象である。

さすがといおうか、ドルトムント勢のクオリティは高かった。
だが、ギリシャ戦の露骨なホーム寄りの笛、そしてロシア戦でも審判に味方されておきながら。
そして何より、大国不在のこのグループを突破できないようでは、言い訳もできないだろう。
スムダ監督の弱腰の采配にも疑問が残る。
ギリシャ戦、相手が一人少ない時間もあったのに、どうして攻撃的なカードを切らないのか。

今大会のポーランドは「失敗」だった。そう思わざるを得ない。


★スウェーデン 0勝2敗 得点3 失点5 攻撃 C+ 守備 C+ 面白さ B- 総合 C

今大会べスト8進出を予想していた身としては、期待はずれと言わざるを得ない。
アウトサイダーと目されたウクライナと、相性抜群のイングランドに連敗。
グループ最強と思われるフランス戦を戦わずして敗退を喫したのだから、辛い評価にならざるを得ない。

世代交代に完全に失敗したというのが率直な印象だ。
元より4年前の2008年の時点で、とっくに限界は見えていた。
あれから4年、新しいタレントはまるでいなかった。
守備の要、35歳のメルベリが最も目立つようではダメだろう。
ウォルコットのようにスピード溢れるアタッカーを相手にすると、鈍重な守備陣はまるで無力だった。
中盤はある程度の構成力を保持していたが、サイドのエルム、ラーションは突破力に欠けた。
攻撃は構築からフィニッシュまで、全てイブラヒモビッチ一人に任せきり。
頼りになる相棒がいればまた違ったのだろうが、S級タレントの彼でもさすがにこれではどうしょうもない。
敗退は必然だった。振り返れば、そういうことなのだろう。


★アイルランド 0勝2敗 得点1 失点7 攻撃 C- 守備 C+ 面白さ C- 総合 D

注目選手 GKシェイ・ギブン(70点/2試合平均)

残念ながら全くいいところがなかった。
開幕戦、クロアチアを相手に不運な失点を繰り返すと、スペインには実力の差を完膚なきまでに見せつけられた。
敗因はやはり、工夫に乏しい攻撃にある。
前線へ向けてロングボール一本。 ポストに当てて、そのこぼれを拾うという戦術にも関わらず
そのポスト役が180センチのドイルや183センチのコックスでは厳しい。
その上、エースのはずのロビー・キーンは2試合通して精彩を欠いた。
ぱっとしなかったのはキーンだけではない。サイドのダフやマクギーディがもっと効果的なクロスを上げることができていれば。

守備に関しても褒められる点は少ないが、スペイン戦で魂のセーブを見せたギブンと、中盤で必死に火消しに走り回っていたアンドリュースの存在は、数少ない好印象を与えてくれた。

グループB ドイツVSデンマーク

ドイツ   2-1         デンマーク

試合内容  B
MOM CH サミ・ケディラ(70)(ドイツ)
主審  B-


GK ノイアー(55)                 アンデルセン (65)
DF バドシュトゥバー (40)             アッゲル (60)
   ラーム (50)                  キアル (55) 
   フンメルス (50)                ヤコブセン (50) 
   ベンダー(65)                 シモン・ポウルセン (60) 
MF ケディラ (70)                 クビスト (45) 
   シュバインシュタイガー (50)         ヤコブ・ポウルセン (55)→ミケルセン(?)
    エジル (60)                 エリクセン (40)
   ミュラー (60)→クロース(?)                    ジムリング(55)→クリスチャン・ポウルセン(?)
   ポドルスキ (60)→シュールレ(60)    クローン・デリ (60) 
FW ゴメス (60) →クローゼ(55)       ベントナー (65) 

監督 レーブ B+            オルセン C-

欠場者 SB イェロメ・ボアテンク(ドイツ:出場停止)
      WG デニス・ロンメダール(デンマーク:怪我)


【試合概要】

ここまで2連勝。勝ち点6を獲得したにも関わらず、まだグループ突破が決まっていないドイツと、
勝ち点3のデンマークの対戦。
引き分ければ突破が決まるドイツだが、負けてしまうと一気にグループリーグ敗退が決まりかねないという状況で、ドイツはいつものメンバーを揃えてきた。個人的にはここまで不調のポドルスキ、ミュラーに代えて、ゲッツェやロイスもテストしてほしかったが、負けてしまえば元も子もないので仕方ないといえば仕方ない。
一方のデンマークは、負けてしまうと敗退が決まり、引き分けでも苦しい、勝利が必須の状況ながら守備的な布陣。相手がドイツなので仕方ないといえば仕方ないが、個人的にはスタートからミケルセンを使ってほしかったところ。

この試合、オランダ戦で見せたようなハイテンポなサッカーはドイツには見られず、慎重な試合運びに終始する。
それでも先制点はドイツ。
この大会、不調だったポドルスキのゴールが決まる。だがデンマークもその4分後、CKからベントナー、そしてこの大会絶好調のクローン・デリと頭で繋ぎ、ゴール。
その後は一進一退を繰り返すも、どちらかと言えばドイツが試合をコントロールしているという印象だ。
後半になっても流れは変わらず、後半35分には出場停止のボアテンクの代わりにスタメンに入っていたベンダーが長距離を駆け上がってのゴール。
他会場でポルトガルがオランダをリードしているという事情もあり、この一発で事実上、デンマークの敗退が決まった。

【ドイツ】

MOMはケディラ以外に考えられない。
大会を通して絶好調を保っているが、この日の彼はシュバイニー、エジル以上に攻撃の組立に加わっていた。
前線+2列目の4人はこの日、及第点のパフォーマンスに終始。
決して悪くはないが、さりとて良くもなく、たとえばスペインの中盤などに比べると見劣りが否めないのが正直な印象だ。
オランダ戦で見せた輝きが失われ、再び以前の彼に戻ってしまった感のあるゴメス。
一本調子のアーリークロスを打ち込むだけのミュラー(この日の1点目につながったのも事実ではあるが)、
1ゴールを決めてもなお調子の良さを感じないポドルスキなど、攻撃陣の奮起が望まれる。

ただ、この日デンマークがイマイチ攻撃に出てこなかったこともあるが、守備陣は全く危なげのないパフォーマンスで、ノイアーがボールを触ること自体が稀だった。
唯一不満が残るのはバドシュトゥバーで、ベントナーのユニフォームを引っ張ったシーンはPKを取られても文句は言えなかっただろう。



【デンマーク】

不満があるとすれば、オルセン監督の守備的な采配だ。
故障欠場のロンメダルに代えて先発したのは、守備的なヤコブ・ポウルセン。
更に、攻撃にでなければならなかった後半34分に投入されたのは、これまた守備的なクリスチャン・ポウルセンだった。
ポルトガル戦で俊足ぶりを見せたミケルセンの投入はなんと後半37分。
いくら相手がドイツだとはいえ、他会場ではポルトガルがオランダをリードしているという状況。
このままでは敗退が決まるというのに、攻撃の駒を切らなかった采配には疑問が残る。
もちろん、ミケルセンが入っても結果は変わらなかったかもしれないが、最善を尽くしてほしかった。

ピッチ上の選手に目を向けると、やはり今大会クローン・デリ、ベントナーの好調は際立っている。
前者はスペースを突く鋭い動きと、ここぞというシーンでの決定力。ベントナーは最前線で起点となっていた。
プレミアリーグでの彼とはまるで大違いだ。

また、セーレンセンの負傷で急遽正GKとして起用されたアンデルセンはこの日も好パフォーマンスを披露した。

グループA ロシアVSギリシャ

ロシア     0-1         ギリシャ
 
試合内容 B
MOM   WG ゲオルギアス・サマラス(75)(ギリシャ)
主審 C+

GK マラフェエフ(55)                  シファキス (70)
DF ベレズツキー (50)                 キリアコフ・パパドプーロス (65) 
   アニュコフ (60)→イズマイロフ(?)       トロシディス (75) 
   ジルコフ (60)                    パパスタソプーロス (60) 
   イグナシェビッチ (45)               ツァベラス (60) 
MF グルジャコフ (50)→ポグレブニャク(55)    カツラニス (55) 
   シロコフ (50)                    カラグーニス (75) →マコス(60)
   デニゾフ (65)                    マニアティス (60) 
FW アルシャビン (70)                 サルピンギディス (60)→ニニス(?)
   ケルザコフ (40) →パブリュチェンコ(55)   ゲカス (50) →ホレバス(50)
   ジャゴエフ (55)                   サマラス (75) 
 
監督 アドフォカート C       フェルナンド・サントス A+

欠場者               CBアブラハム・パパドプーロス(怪我)
                   GKハルキアス(怪我)
CFココリン(怪我)

【試合概要】

勝つか引き分ければグループ突破が決まるロシアと、勝たなければグループ突破ができないギリシャの一戦。
試合前の予想では、ロシアが圧倒的に優位な位置にいただろう。
両者とも負ければ敗退が決まるという状況で迎えたグループA最終戦は、予想外の結末を迎えた。

驚きを演出した最大の立役者は、ギリシャの精神的支柱カラグーニスだ。
初戦のPK失敗を帳消しにする魂の一発を、前半終了間際という絶妙の時間に決めたのだ。
そのカラグーニスは、やや厳しい判定で(PKではないかもしれないが、あれでシミュレーションイエローはないだろう)次戦出場停止に。
後半ロシアは猛攻をしかけるも、ギリシャはゴール前に分厚い壁を築いて徹底抗戦を見せる。
結局試合はこのままギリシャが逃げ切り、望外のベスト8進出を果たした。

【ロシア】

一瞬の隙を突かれた格好だ。この試合、ロシアがギリシャに劣っていたとは思わない。
事実アルシャビン、ジルコフを中心とした攻撃は、存分に脅威となっていた。
中盤のデニゾフも果敢な飛び出し、ミドルシュートで存在感を発揮。
守っては右SBアニュコフの奮闘も目立った。
それでも、今日のロシアはゴールが遠かった。
この大会、ここまで散々シュートを外してきたケルジャコフが、空振りをしてしまったあのシーン。
あれが、今大会のロシアを象徴していたような気がしてならない。

【ギリシャ】

まさに魂の勝利だった。
奇跡を成し遂げたイレブン全てに高採点を与えたい。
まず、特筆すべきなのは決勝ゴールを決めたカラグーニスだろう。
チームを鼓舞する偉大なキャプテンは、この日特大の仕事をやってのけた。
ロシア完封の立役者となったDFラインでは、相変わらず右SBトロシディスの安定感が際立つ。
前線で核となったのは、サマラス。前線からのチェイシング、懐の深いキープ、チャンスメイクと
本領を発揮した彼をMOMに挙げたい。
奇跡のベスト8は、フェルナンド・サントス監督の手腕も大きい。
ことに初戦、誤審の連続で我を失い興奮するチームの手綱をしっかりと握り、
勝ち点1を獲得したあの試合。あの勝ち点1があったからこそ、ギリシャは突破を決めることができたのだ。

グループA ポーランドVSチェコ

ポーランド  0-1    チェコ

試合内容  C
MVP SBリンベルスキー(75)(チェコ)
主審 B

GK ティトン (65)                     ツェフ(75) 
DF ピシュチェク (50)                  カドレツ (60) 
   バシレフスキ (45)                 セラシェ (65) 
   ペルキス (55)                    シボク (65) 
   ボエニシュ (55)                  リンベルスキー (75) 
MF ブラシュチコフスキ (60)             ヒュブシュマン (60) 
   オブラニアク (40)→ブロジェク(40)      イラチェク (65) →ライトラル(55)
   ドゥドカ (55)                     コラージュ (40) 
   ムラフスキ (35) →ミエルジェウスキ(?)   ピラジュ (55) →レゼク(?)
   ポランスキ (50) →グヴォジツキ(50)     プラシル (50) 
FW レバンドフスキ (40)                バロシュ(45)

監督 スムダ  C                  ビレク B-
 
欠場者                        OHトマシュ・ロシツキー(怪我)


気力がないのと、大して面白い試合でもなかったので、文章は割愛させていただきます。
すみません。

グループD イングランドVSスウェーデン

イングランド    3-2            スウェーデン

試合内容  B+
主審 C+
MOM SH テオ・ウォルコット(70)(イングランド)

GK ハート(65)                   イサクション (65)
DF テリー (55)                   メルベリ (70) 
   アシュリー・コール (50)             マルティン・オルセン (50) 
   レスコット (50)                  グランクビスト (50)→ルスティグ(50) 
   グレン・ジョンソン (60)            ヨナス・オルセン(50)
MF  パーカー (55)                 エルム (50)→ヴィルヘルムション(?)
   ジェラード (55)                 ラーション (40) 
   ヤング (65)                   シェルストレーム (55) 
   ミルナー(45)→ウォルコット(75)       スベンション (40) 
FW キャロル (65)              FW エルマンデル(45) →ローセンベリ(50)
   ウェルベック (65) →チェンバレン(?)  イブラヒモビッチ (60) 

監督 ホジソン A               ハムレーン C

欠場者 CFウェイン・ルーニー(出場停止)

【試合概要】

グループの大本命フランスを相手に、ゴール前にひたすらバスを停めて守ったイングランドと、
ウクライナの英雄シェフチェンコの2発の前に敗れ去り、後がなくなったスウェーデン。
過去43年間で、スウェーデンに一度しか勝てていないイングランドだが、果たして。

前半20分は両者あまり動きがなくつまらない展開だったが、キャロルのヘディングでイングランドが先制すると一気に試合が動き出す。
これに息を吹き返したのがスウェーデン。自陣に深く引いて守るイングランドの守備に、やや不安を感じるも、イングランドにとって結果は上々の前半となった。
だが、後半、やはり相性というものはあるのか、立て続けにメルベリがゴールを決めてスウェーデンが逆転に成功する。

試合の流れを大きく変えたのは、イングランドの選手交代だった。
ミルナーに代えて投入されたウォルコットが、大仕事をやってのけたのだ。
豪快にシュートを叩き込むと、さらに右サイドをぶち抜き、ウェルベックの芸術的なヒールシュートをアシスト。
とかく波のある男だが、ノった時の破壊力は恐るべきものがある。

結局、イングランドは公式戦でスウェーデンに初勝利。
望外な勝ち点3を獲得し、トーナメント進出に大きな一歩を踏み出した。
対するスウェーデンは、ウクライナ戦での気の抜けたパフォーマンスのツケを払わされ、
予想外の早期敗退を強いられることとなった。


【イングランド】

まず何よりも、相性最悪の相手に勝利を掴み、苦手意識を払拭できたことは大きい。
今後スウェーデンと当たる時にも、変な萎縮をせずにすむようになるだろう。

さて、何といってもウォルコット様々だろう。
圧巻のミドルとドリブル突破で、イングランド逆転の最大の立役者となった。
前線、キャロルとウェルベックの2トップは、120%のパフォーマンスでルーニーの穴を埋めた。
前者は最前線で効果的な基準点となり、後者は裏への抜け出しと、何よりファンタスティックな決勝点で魅せてくれた。
ヤングはこのチームで随一の(唯一の?)テクニシャン。彼の柔らかなボールタッチが前半のイングランドの攻撃を形作っていた。

一方守備面は酷いものだった。スウェーデンがボールを持つと、ズルズルとラインを下げてしまい、
相手長身FWに何本もロングボールを放り込まれることとなった。
これは、パーカー、ジェラードの守備のフィルターが効力を失い、スウェーデンに中盤の支配を明け渡してしまったこと。
そして、テリー、レスコットのDFラインにスピードがなく、裏を取られることを極端に恐れ、深めのラインを敷かざるをえない点にある。
結果を出しているにも関わらず、イングランドが列強国に大きく見劣りする所以だ。


【スウェーデン】

悪いパフォーマンスではなかった。だが、限界を露呈したのも事実だ。
選手個々で言うなら、DFながら2得点を挙げたメルベリは高評価に値する。
だが、それ以外に名前が出てこないのが現状だ。
エースのイブラヒモビッチは、何本かスルーパスを通す活躍を見せたが、やはり彼にはもっと決定的な仕事を期待したいところ。物足りなさは否めない。
スウェーデンといえば、サイドアタックのイメージが強かったが、ラーションやエルムはまるでサイドを抉れなかった。一方、効果的な攻撃参加を見せたマルティン・オルソンは肝心の守備の方で、ウォルコットにやられ、高評価には至らなかった。
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