皆さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

それでは、2014年にプレイしたゲーム/読んだ本のベスト10を発表します。
2014年に僕が触れた作品ということで、2014年発売の作品ではないことにご注意ください。


【ゲーム ベスト10】


10・艦隊これくしょん(ブラウザゲー 注:2014年3月下旬着任)

ブラウザゲーをここに入れるのには少々抵抗があるんですが、まぁゲームだしいいよねということで。
キャラゲーとして楽しめるSLG(になるのかな?)。
色々不満も多いのだけど、ダラダラとやってしまう魅力があった。
2015年1月の今もまだ、ダラダラとやっている……壮大な時間泥棒である。そろそろやめたい。


9・天秤のLa dea ―戦女神Memoria―

リメイク作という制限があるため、たとえば「Verita」や「Zero」に比べるとこじんまりとしている感は否めないが、
リメイクだと考えれば満足の出来。


8・瀬里奈

抜きゲーかと思ったら、テキストも良かったでござる。やはりキャラクターの魅力あってこその「抜き」ですよね。
タイトルになっている瀬里奈がさほど抜けなかったのは少々誤算だったけど、雪奈で抜けたのでいいです。


7・月に寄りそう乙女の作法1

服飾専門学校に通うお嬢さまと、女装メイドとしてくっついていく主人公という設定のゲーム。
「お嬢さま・メイド」な世界にも関わらず、王道のスポ根を描いたユルシュールシナリオが出色の出来。
桜小路ルナというヒロインもなかなかキャラが立っていて良い。


6・黄雷のガクトゥーン

桜井光の描くスチームパンクシリーズのエロゲ最新作。
前作までと比べ妙に垢抜けてしまったというか、普通になってしまったような気はするが、
ホームズへのオマージュを下敷きにした緻密なプロット構成は健在で安心。


5・大図書館の羊飼い

個人的大傑作「穢翼のユースティア」と比較すると物足りなさは残るものの、Augustらしいほのぼの楽しい日常シーンと、「ユースティア」のルキウス、ユースティアへのカウンターともなっている「羊飼い」の設定が面白い。
佳奈すけかわいいよ佳奈すけ。
俺もこんな学園生活送りたかったわ(遠い目)、と思える作品はいいですね。意外に少ないんだ、これが。


4・スーパードラモンクエスト(同人)

去年プレイしたRPG・SLGの中で、(フルプライスの商業ゲームを入れて)一番ハマったRPG。
この大ボリューム、この完成度には度肝を抜かれました。
エロは……あまり好みじゃなかったんですけど、それ以外は本当に良かった。
期待していなかったシナリオまで良かったし……こういう作品が埋もれているのが、同人作品の凄いところですね。


3・君と彼女と彼女の恋

異色作というか、とにかくインパクトの強い作品。システム周りをいじるような演出や、最後の二択など、印象に残る作品です。作者からプレイヤーへの『挑戦』が感じられる、こういう作品は応援したくなります。
ただ……そういう心意気は好きなのですが、これを1位や2位にするのはちょっと抵抗があるなぁと感じるのも事実ではありますね。


2・そして明日の世界より

数か月後に世界が滅ぶことを知った主人公たちが、『いつもの日常』を取り戻していくまでの作品。
設定から想像できるような派手な展開は皆無に等しい、静かな作品ですが、それがまた心地良かったです。
いつまでもこの世界に浸っていたいと感じられるような作品でした。
第一印象では御波派だったんですが、プレイ後は青葉派に。


1・Chushingura 46+1

忠臣蔵の赤穂浪士達が女性化した世界にタイムスリップし、何度もループを繰り返す作品。
薀蓄、描写から、歴史好きなライターの綿密な下調べが感じられ、安心して世界に入れるのが良い。
ループごとに展開が変わり、結ばれるヒロインも変わるというループものエロゲのお約束も文句なし。
4、5章がやや失速した感はあるものの、3章までは本当に素晴らしい(4・5章を入れても、2014年プレイ作品1位は揺るがない)。



【読書ベスト10】



10位 最果ての銀河船団/ヴァーナー・ヴィンジ

35年の「昼」と215年の「夜」を持つ、オンオフ星。蜘蛛型宇宙人の住むその星で、天才科学者シャキナーは原子力を発明する。それにより大きく変容する文化や、蜘蛛型宇宙人との交流が活き活きと描かれたヴィンジ渾身の力作。
「これぞスペースオペラ!」という作品で、1200ページという長さなのに全然辛くなかったです。


9位 キリンヤガ/マイク・レズニック

コリバという老人の夢(キクユ族のユートピア)が生まれ、育ち、崩壊するまでの物語。どの章も良いが、第二章「空にふれた少女」、第四章「マナモウキ」が特に良かった。
ただ、『アフリカ』を描いた作品としては以前に読んだチヌア・アチェベの「崩れゆく絆」が素晴らしく、それと比較してしまうとちょっと評価が辛くなってしまった。いや、「キリンヤガ」も好きですけどね!


8位 エンダーのゲーム/オーソン・スコット・カード

異文化コミュニケーションと、キリスト教的な「赦し」を描いた名作。
理解できない相手のことを恐れ、徹底的に叩き潰す人間の悲哀と、それら全てを赦すバガーの対比が切ない。
「エンダーのゲーム」が気に入った方は、続編の「死者の代弁者」も是非。


7位 恋人たち/フィリップ・ホセ・ファーマー

異種族間の悲恋モノとして泣かせるとともに、言語・異種族の生体・宗教文化など、背景に流れるSF要素も緻密に組み立てられた作者のメジャーデビュー作。世界観重視のSF小説として十分な強度がありながら、恋愛小説としても一級品。


6位 ラスト・チャイルド/ジョン・ハート
一年前、双子の妹を亡くしたジョニー。父親も失踪し、母親はクズ男と付き合い始めて薬漬けの毎日。
そんな状況で、ジョニーは親友のジャック、ジョニーの力になりたいと願う刑事ハントと共に、妹・父の行方を追っていく……。
同じく、歯車の狂った家族の再生を描いたロバート・B・パーカーの「約束の地」と迷ったが、今回は「ラスト・チャイルド」をベスト10に選出した。「ラスト・チャイルド」が楽しめた方は、パーカーの諸作品(「約束の地」、「初秋」、「レイチェルウォレスを探せ」など)も是非。逆にパーカー好きの方は、「ラスト・チャイルド」がお薦めです。


5位 永遠の終わり/アイザック・アシモフ

壮大なタイムスケールで描かれる『エタニティ世界』の真相と、そこから導き出される文化の変遷に鳥肌。
なんと15万世紀という時間を、過去に未来にと飛び回る。あまりにもイケてない32歳童貞男の主人公にも注目。
同著者の「ファウンデーション」(1巻だけでも良いので)を読んでおくと、面白さ倍増。


4位 愚者の聖戦/クリフォード・シマック(短編集)

収録6作全てハズレなしの、素晴らしい短編集。
植物型異星人との交流を描いた「緑の親指」は、長編「都市」と並んでシマックの最高傑作ではないだろうか。
「建国の父」は、長編「中継ステーション」の良い所だけを凝縮したような作品。
シマックの作品は、「旧き良き」というフレーズに相応しい。牧歌的な風景と、鋭い感受性が光る。


3位 天の光はすべて星/フレドリック・ブラウン

宇宙に魅せられ夢を追い続ける57歳の主人公は、45歳のヒロインの支えもありついに夢を掴みかけるが……。
端から見れば「いい年にもなって」と言われてしまうかもしれないが、夢に向かってひたむきな主人公の姿は、思わず応援せずにはいられない。
しみじみと読ませる名作。


2位 タイムマシン/H・G・ウェルズ

タイムマシンものの原点とも言える古典的名作は、2014年の今読んでもとてつもなく面白い。
子どもの頃に映画版「ドラえもん」を見たときのような、夢・スリル・ワクワクを味わわせてくれた。
200ページにも満たないボリュームでも、壮大なスケールの作品は描けるという好例。


1位 ある日どこかで/リチャード・マシスン

余命わずかな青年が、往年の憧れの女優に会いにタイムスリップする、時を越えたラブストーリー。
僕はこういう筋書きがとても大好きで、あらすじを知った時から読んでみたいと思っていましたが、
本作はその期待に十二分に応える出来で、何度も胸を打ちました。