好きなRPG10選(2015年3月版)

好きなRPG10選 ④ファイナルファンタジー7、ファイナルファンタジー10 +おまけ【FF7、FF10の重バレあり。おまけはバレなし】

【ファイナルファンタジー7】






星の命を吸い取り、エネルギーへと変換する魔晄技術。この技術は人々の生活レベルを著しく改善した。
しかし一方で、魔晄エネルギーの採取によって土地は痩せ、星は悲鳴をあげている。
エネルギー産業を中心に幅広く事業を手がける、世界的大企業神羅カンパニーのお膝元ミッドガルで、
反神羅、反魔エネルギーを掲げるテロ組織アバランチが、絶望的な戦いを続けていた。


FFシリーズの中で、タクティクスを除けば最もストーリーが深いと感じた作品です。
本作からは、ガチのSF作品と言いますか、フィリップ・K・ディックの作品群に近い印象を受けました。
どこがディックっぽいかと言いますと、
主人公のクラウド、そして敵役のセフィロスともに、『自分』というものが希薄である点です。
「自分」とはなんなのか。本当に連続した存在なのか。
疑わしい「記憶」、作られた「過去」、周囲の人間から語られる「知らない自分」。
「自分とは誰なのか」、「クラウドとは何者なのか」。
星を守るという物語のメインストリームに寄り添うように、もう一つの謎が絶えず背後で動いていきます。

エアリス
「私……あなたを探してる」
「あなたに、会いたい……」


FF7をプレイしていると、要所要所で、どこか現実感が希薄で、奇妙な浮遊感が漂うマップがありました。
回想シーンのニブルヘイムなどが顕著ですが、現在時間のマップでもジェノヴァ関連やヴィンセント&ルクレツィア、そしてザックス、セフィロス、エアリス。
彼ら、彼女らの存在はどこか夢幻のようです。


セフィロス
「ひさしぶりの故郷なんだろ?どんな気分がするものなんだ?」
「オレには故郷がないから わからないんだ……」

 
一方で、「現実」に属するのがバレットや神羅カンパニーの面々。
そして、「過去(夢幻)」と「現在」を繋ぐのがティファということになりますでしょうか。
かなり大雑把な自己流解釈ですが、「過去(夢・幻)」に囚われたクラウドという主人公が
エアリス(夢幻)を失い、ティファ(夢幻と現実を繋ぐ存在)と結ばれ、セフィロス(同じく夢幻)を打倒するというストーリーラインには何か示唆的なものを感じます。
人は過去に生きるのではなく、現在を生きるというテーマ。
一方で、確かな過去の存在が人間に重みを与え、クラウドの人間性を回復してくれる。
そんな描写が光る作品だったように思います。


クラウド
俺、ソルジャーにはなれなかったよ。絶対になってやるなんて言って 村を出たくせに……」
「はずかしくて……誰にも会いたくなかった……」


主人公が「勇者」であったり「王族」であったりするドラクエとは違い、普通の若者が主人公を務めるケースが多いのもFFシリーズの特徴です。
このクラウドの独白は、「勇者になれなかった、主人公」の。
そして、「生まれついての勇者でなくとも、主人公になれる」希望を、子供の僕に与えてくれたシーンでした。
 



また、エネルギー産業の問題はそのままSF的な、そして現代的な問題でもあります。
日本でも大震災によって福島原発がクローズアップされましたが、石油や石炭といった古くからのエネルギーの乱用もまた、大気汚染など深刻な環境変化を引き起こしています(例としてはPM2.5など)。
しかし一方で、こうしたエネルギー燃料が人々の生活を支えていることもまた、事実。
ただ、魔晄炉を破壊すればいいのかと言われれば、そういうわけにはいかない。
けれど、星の命を守るにはどうにかしないといけない。そういった、明確な答えのない何か。答えの出ない何かを考えるという意味でも、FF7は優れた作品だったと思います。


 
バレット
「……こういう風景を見てるとよう 自然ってやつはホント、すげぇんだなって思うんだ。こんなところに住めって言われたら オレは、迷わずカンベしてくれって答えるぜ……でも、もし住むことになったら きっと、いろいろ工夫して居心地よくしようとすると思うんだ。
「そんな人間の工夫が行き届いたところが……ミッドガルなのか」
「そんなふうに考えちまうと神羅の何もかもが悪いとは言えなくなっちまう……」


(「星の命のためには、多少の犠牲は仕方なかった」というバレットに対し)

ケット・シー
「多少? 多少ってなんやねんな? アンタにとっては多少でも 死んだ人間にとっては、それが全部なんやて……」


プレイ当時、実はFF7で一番好きだったのはケット・シーでした。
人間くさくて、綺麗事だけではわたっていけないけれど、その中で自分に出来ることを、自分の良心に従って行う彼の行動は、あのような外見にも関わらず格好いいなぁと思わされました。

男性陣ではクラウド、それにセフィロスでしょうか。タークスの面々も好きでしたね。
女性陣ではエアリスもティファも大好きです。
エアリスは初恋の相手、ティファは現在の彼女的なポジですね。


FF7にもやはり欠点はいくつかあります。
個人的に一番気になるのは、序盤、ミッドガルを出るまでがやや単調なところですね。
FFというブランド名があるだけに投げたりはしませんでしたが、少々不安にさせられる立ち上がりでした。

また、良BGMが多かった前作のFF6と比べ、BGMがいかにも弱かったのも気になりました。
何かのインタビューで「敢えて、音楽の主張を抑えた」というコメントを見たのですが、それにしても抑えすぎじゃないか?という。
その中で印象に残っている曲はこの辺りでしょうか。


https://www.youtube.com/watch?v=8vCKFeO3nNs (エアリスのテーマ)

https://www.youtube.com/watch?v=oE0hgt_a_do (片翼の天使:セフィロス戦の曲)


後は、ラスボスのセフィロスが弱すぎる点とかかなぁ。
まぁ、僕はヌルゲーマーなので、強すぎるよりは弱すぎる方が良いのですが。
マテリアシステムは特に好きでも嫌いでもありませんでしたが、リミットブレイクのシステムはかなり好きでした。


ストーリーやキャラといった要素ではなく、純粋にゲーム的な要素だけで考えても、
FF7はFFの中で一番か二番に好きな作品です(その場合、7と同率で一位を争うのは「6」になります)







 
【ファイナルファンタジー10】








シンという怪物が災害をもたらしている世界、スピラ。
召喚士が自らの命を犠牲にして行う「究極召喚」によってのみ、シンは退けられ束の間の平和『ナギ節』が訪れる。
10年前、大召喚士ブラスカは護衛(ガード)のジェクト、アーロンと共にシンを倒しナギ節をもたらした。
今また現れたシンを前に、ブラスカの娘ユウナは旅に出る。
ジェクトの息子ティーダや父のガードを務めたアーロンらと共に。


とても綺麗な、しっとりとしたラブストーリーです。
ティーダとユウナの物語は、高品質なムービーも相まって、上質な恋愛映画のような感触があります。
真っ先に頭に浮かんだのは映画、『タイタニック』でしょうか。
ギャルゲー・エロゲ―ではしばしば『純愛』というフレーズが出されますが
本作を超える『純愛ストーリー』をギャルゲー・エロゲーでは見た事がありません。
そういう意味でも、唯一無二の作品となっています。


https://www.youtube.com/watch?v=LzKkePuS9K4 (メインテーマ曲:「ザナルカンドにて」)


物語の底流をなすのは、「悲愴」と「幻想」。
ユウナの背負う「使命」と「自己犠牲」が、全編に漂う「悲愴感」の根源だとすれば、
スピラの豊かな自然、そしてティーダの出自が、物語に「幻想」のアクセントを加えています。


ボーカル曲「素敵だね」も素晴らしいですね。
『行きたいよ、君の街、家、腕の中』という歌詞を思い出すたびに、ティーダに対するユウナの想いに胸が揺さぶられます。
エンディング、ユウナがティーダの身体を突きぬけてしまうシーン。
そして、ティーダがユウナを後ろから抱きしめるシーンは、涙なしでは見ることができません。


https://www.youtube.com/watch?v=ZlO_61MpXBE (マカラーニャの森:初めてのキス)

https://www.youtube.com/watch?v=C0UzBD97AnY (エンディング)


このように直球で「純愛」を描ききったFF10ですが、物語にはもう一つ、「世代間の共有体験」と「父超え」というエッセンスが入っています。
「世代間の共有体験」というのは……うまい言葉が見つからないのですが、要は「世代を超えて、同じ経験をする」という事です。


純愛作品として有名な『世界の中心で愛をさけぶ』では、
過去における祖父の悲恋物語と、主人公である朔太郎の悲恋物語が重なり合わさる構造をとっています。
『FF10』もまた、『ユウナの父ブラスカと、そのガードであるジェクトの旅』と、『ユウナと、そのガードであるティーダの旅』が重なるように出来ており、更に「ユウナ」が「父のブラスカ」を、「ティーダ」が「父のジェクト」を超えていくというテーマが内包されています。


こうした『父超え』のエピソードは、よく男性主人公に適用されることが多いのですが、女性キャラクターのユウナに適用されているのはとても珍しいように思います
(女性主人公の場合の超えるべき壁は、父よりも母の事が多い)。


『純愛』と『父超え』という二つの王道テーマを描いたFF10。
前述したFF7に比べると遙かにシンプルな物語ですが、非常に力強く印象深い作品でした。


バトル面、システム面に関しては、FF10ではスフィア盤と呼ばれるシステムが導入されています。
(一周しかプレイしていないせいか)あまり印象が強くないのですが、結構楽しめた記憶があります。

また、ミニゲームのブリッツボールが楽しかった記憶もありますね。
しかしティーダの必殺技「ジェクトシュート」、これ、キャプテン翼なみに反則技な気がww




その他、ベスト10に入れるか迷ったゲームたち (ネタバレなし)


【エリーのアトリエ】

世界を救うような壮大な物語ではなく、どこにでもいる女学生の楽しい日常を描いたRPGというのがお気に入りポイントです。
アイテムクリエーションも面白く、トップ10に入れようか悩みました。
僕がプレイした、マリー~ヴィオラートまでのアトリエシリーズ初期五作の中では確実に「エリー」がベストですね。


【ファイナルファンタジー6】

FFシリーズが既に3作も入っていたので泣く泣く外したけれど、こちらもベスト10に入れようかかなり迷った作品です。
僕にとってこの作品が初めてプレイしたFF作品であり、初めて「RPGをストーリーで見る」ことを教えてくれた作品でもあります。
キャラはセリスが好きでしたが、サブキャラの、たとえばレイチェルやカイエンあたりにも良いイベントがあったなぁ。
音楽も良曲揃いだったし……素晴らしいゲームでした。


【ドラゴンクエスト5】

少年時代から、青年、二児の父親へ至る、時間スケールの大きい物語。
FF10で触れた「父超え」のエピソードは、FFよりもむしろドラクエにおいてよく見られるモチーフで、
本作だけでなく「3」においても使われており、「やや変奏的なものも含めれば「2」も「先祖超え」の物語になります。
「5」に話を戻すと、主人公が勇者ではなく、勇者の父親というのが新鮮な驚きでした。
また、モンスターを仲間にするというのも当時としては斬新だったように思います。

ちなみにビアンカもフローラも好きなので、派閥に分かれて相手を貶しあうのは見たくないですね。
エアリスとティファにも言えることなんですけど。


【ドラゴンクエスト8】

本作は自由度を犠牲にした代わりに、ドラクエ中、最もストーリーが優れていた作品だったと思います。
映画「卒業」的なエンディングもお気に入りだし、ゼシカはエロかわいくてとても良かったです。
一周しかやってないので、いつかまたやりたいですね。


【アルトネリコ2】

ヒュムノスという異言語の物語詩が非常に素晴らしいです。
キャラの描き込みも水準を超えており、RPGとしての出来も悪くないです。
トップ10に入れるか非常に迷ったんですが、突き抜けた要素は『ヒュムノス』のみだったので外しました。
ルカが好きです。


【幻想水滸伝1】

深みのあるストーリーが楽しめる一品。シルバーバーグ兄妹が本当に好きです。
ベスト10に入れて当然のクオリティなんですが、トップ10にあげた幻水2と比べると全体的に見劣りするため、
ランキングを少しでも多彩にするため、今回は見送りました。
紹介記事で幻水2に興味を持ってくれた方は、1もやってくれると期待しています。


【ペルソナ3】

リア充生活が楽しめる楽しいRPG、それがペルソナ3。ベスト10に入れるか少し迷いました。
ペルソナ4に比べると、やや「楽しい青春度」が薄く「鬱屈した青春」に偏っているが、基本は同じです。
紹介記事でペルソナ4に興味を持ってくれた方は、3もやってくれると期待しています。


【キャプテン翼5】

非常に面白いサッカーRPG。だと思うんですが、これをRPGに入れていいのか相当迷ったので、外しました。
経験値とレベルと能力値があって、試合はコマンド入力式なので、僕の概念ではRPGなんですが。
1~5までいずれも面白いです。真面目にプレイしても楽しく熱中できるし、ギャグ的なツッコミ所も満載。
特に「2」、「4」、「5」が面白いですね。一つを選ぶなら「5」かなぁ。
オフサイドの概念や、パスで相手を揺さぶったり、相手の消耗を促したりと、より戦術的なプレイが行えるようになったので。
(1~4は、オフサイドがないのですw)


【ドラえもん ギガゾンビの逆襲】

僕がプレイした初めてのRPG。
当時は「そうび」というのが何の事かわからなくて、「どうぐとして使っていた」(←全く意味がない)
僕をRPGの世界に引き入れてくれた思い出深いゲーム。
「魔界大冒険」、「海底奇岩城」、「竜の騎士」、「日本誕生」の4つの世界で大冒険できます!
ベスト10かどうかはともかく、今やっても結構楽しいと思います。


【戦女神 VERITA】

エロゲ―RPGからどれか一つを選ぶとしたら、これ。
キャラクターが多彩でストーリーも分岐しますし、やり込もうと思ったら100時間覚悟コース。
エクリアさんが凄くかわいいんですが、ルナ・クリアも好きです。
戦女神シリーズはZEROもかなり好きですし、贔屓にしています。



最後に、今回のトップ10記事で紹介したゲームに、順位づけをして終わりにします。
(一か月後に聞いたら少し入れ替わっているかもしれませんが)


1 幻想水滸伝2
2 ファイナルファンタジータクティクス
3 ファイナルファンタジー7
4 ゼノギアス
5 ファイナルファンタジー10
6 ゼノサーガ
7 クロノトリガー
8 ペルソナ4
9 スターオーシャンセカンドストーリー
10 ドラゴンクエスト4



長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
また何かリクエストなどありましたら、よろしくお願いします。


好きなRPG10選 ➂ゼノギアス、ゼノサーガ

【ゼノギアス】




ラハン村で友人のティモシーやアルルたちと平和に暮らしていた記憶喪失の主人公、フェイ。
だが、その平穏はギアが村へと不時着してきたことで終わりを告げる。
フェイはギアに乗り侵入者を撃退しようとするが、ギアは暴走し、結果フェイ自身の手で村を壊滅へと追い込んでしまった。
村を出たフェイは、黒月の森で不思議な少女エリィと出会う。彼女はフェイの失われた記憶に関係があるようだが……?


非常にあらすじの書きにくいゲームではありますが、ざっくりと言うと「前世からの愛」の物語ということになるでしょうか。
様々なSF的ギミック、アーサー・C・クラークの「幼年期の終わり」や「2001年宇宙の旅」、ハリィ・ハリスンの「人間がいっぱい」、スタニスワフ・レムの「ソラリス」(未読)などのオマージュが随所に織り込まれており、
世界観の強度も全RPG中屈指のものがあると思いますが、それだけではありません。
こうしたギミックだけでなく、人の心の機微が非常に巧みに描かれているのが、高橋作品のお気に入りポイントです。
最序盤、相思相愛のアルルが親友のティモシーに嫁いでしまうというあたりから、もう既に切ない気分にさせられ、「いいゲームになりそうだぞ!」と思ったものですが、わずか1時間後にはアルルもティモシーも亡くなっていて、度肝を抜かれました。


次に強く惹きこまれたシーンは、黒月の森のフェイとエリィのやりとりです。


フェイは、自らの罪悪感から逃れようと必死に、罪をなすりつける相手を探します。
「あいつらさえ、来なければ」
そしてエリィもまた、自らの罪悪感から逃れようと、フェイに罪をなすりつけようとします。
「あなた、卑怯よ」


そして、そんな自身の行為を二人ともが恥じている。
にも関わらず、二人は面と向かってお互いを赦しあえない。エリィに至っては、フェイに自らの正体すら告げることができない。


RPGに限らず、子供向け(と思われる)作品では外向的な性格のキャラクターが多いように思います。
解りやすく、健全で、前向きなキャラクターたち。
しかし、「ゼノギアス」の主役たちは違います。


僕個人が内向的な性格であることもあり、彼らの振る舞いは非常に自然で、それでいてとてももどかしく。
そしてそんな彼らが障害を乗り越える姿を、応援していくうちにこの作品にどっぷりのめりこんでいきました。
中でもヒロインのエリィは、当時『女の子キャラクターとして、本当に大好きだった』記憶があります。
ゲームのキャラに対して「感情移入」をしたり、「好き」という感情を抱くことは以前からありましたが、
「女の子キャラクターとして、好きになる」。
こう言ってしまうと、非常に恥ずかしいのですが、恋をする感覚に近いのでしょうか?
そんな気持ちになったのは、ゼノギアスのエリィが初めてだったように思います。


(自分が当時書いていた別作品の二次創作に、エリィっぽいキャラとセラフィータっぽいキャラを出した記憶……
それを友達に見せてたんだよなぁ。思い返すとものすごくはずかしいわ……)



ラスボスのカレルレンの境遇もまた、しみじみと感じるものがありました。
「あなたは自分を粗末にしすぎる。どうして自分をもっと、大事にしないんだ!」

この作品に出会うまで、自分は自己犠牲というものは無条件に尊いものだと考えていた節があります。
多分、そういう作品を多く見てきたのでしょう。
自分が身を挺して仲間を庇う、そういったシーンに格好良さや健気さを感じたものでした。
しかし、そうした行為により悲しむ人がいるということを、カレルレンははっきりと教えてくれました。
恋をした女性の自己犠牲によって、彼は世界に絶望してしまったのです。
カレルレンとソフィアの関係性もまた、非常に印象深い『恋』の形でした。


もう一つ、この作品では『親殺し』のモチーフがあったように記憶しているのですが、何分大昔のプレイ故記憶が曖昧でして。フェイ、エリィ、ビリー、マリアなどなど、確か執拗に語られていた気がするんですが、この辺りはいつか再プレイする日が来れば確認しておきたいと思います(ソフトが手元にないんですけどね…)


世界設定について、細かく言えるほど記憶しているわけではないのですが、一点。
セーブポイントというRPGにおいて必須とも言える機能を、「メモリーキューブ」という形で物語に組み込んできたそのアイディアには本当に驚かされました。
セーブポイントという小道具が、まさか物語に活かされるなんて……。これはSF的なセンスオブワンダーといってもいい、のかな?
(センスオブワンダーという単語について、イマイチよくわかっていない部分があるので、曖昧な書き方になりますが)


音楽についても、全RPGで一、二を争うほどに素晴らしい楽曲の数々を光田さんが提供してくれました。

https://www.youtube.com/watch?v=7DOGgQCf6o8 (海と炎の絆)

https://www.youtube.com/watch?v=By0PF1s2TUU (飛翔&マリアイベント)

https://www.youtube.com/watch?v=N9Qp2gQFCkQ (星の涙、人の想い:オリジナルが見つからず、カバーで)

https://www.youtube.com/watch?v=7uJA1am5w14 (ボス戦:紅蓮の騎士)





https://www.youtube.com/watch?v=Ycf04h2JPOg (ED曲)




そんなゼノギアスの物語やキャラクターの素晴らしさについて、ここまで書いてきましたが、RPGとしてどうかと言いますと、正直そこまで褒められはしません。
序盤の黒月の森は画面が暗すぎて、4時間近く迷った記憶があります。
バトルは(技を覚えるため)同じコマンドをひたすら繰り返すものだったと記憶しています。


まぁしかし、そんなことを言うのも野暮だと思うのです。
このゲームにおけるバトルとは、『物語』と『物語』を繋ぐ、接着剤の役割しか担っていない。
肝心な物語が極上なのですから、それ以外の部分は些末なこと。

逆に言えば、物語などどうでも良いからバトルを楽しみたい、という方には不向きな作品かなとも思います。













【ゼノサーガ(EP1~3)】




人類を襲う正体不明の敵、グノーシス。
女技術者シオンは、グノーシスに抵抗するべく、アンドロイドKOS-MOS(以下コスモス)を開発していた。
グノーシスの襲撃にあうというシオンの危機に、コスモスは目覚める……。


「ゼノサーガ」はEP1~3までありますので3作というべきかもしれませんが……ここでは1作として扱います。
……いいですよね?(ちらっ)
どうしても1つに絞れというなら、完結編となるEP3が一番のお気に入りです。


「ゼノギアス」もそうですが、非常にあらすじの書きにくい作品です。
大雑把かつ、乱暴にまとめてしまうならば、「ギアス」同様「サーガ」もまた『愛の物語』と捉えてはいますが……。


個々のキャラクターのサイドエピソードが、メインストーリーに絡み合うように設計されているのは「ギアス」同様。
EP1ではざっと登場人物の紹介があり、シオンとコスモスのエピソードから始まり、
ジギーとモモ、ジュニア(とアルベド)が中心のエピソードへと推移していきます。
割と万遍なく、各キャラにスポットライトが当たる感じです。
EP2は、再びジュニアとアルベドとモモのエピソードが中心となって反復され、深度を増し、
EP3ではシオンとコスモスのエピソードへと回帰します。


物語全体を通して言うならば、シオンとケビン、そしてアレンの三角関係が物語の主軸であるように思います。
「過ぎ去ってしまった愛」と「今ここにある愛」。
尊敬する先輩であり、恋人でもあったケビンを失った傷は、今もシオンに生々しく残っています。
そんなシオンを側で見守るアレンの愛。そんなアレンの気持ちに、シオンは気づいている。
気づいていてなお、退ける事しかできない。
もう亡くしてしまったケビンを想いつづける事で、自分を想ってくれる人を傷つけている。
そんな自己嫌悪が、シオンを苛んでいます。

https://www.youtube.com/watch?v=Z6vH4URUbzw&list=PL8E79DAD9EF0CC4C8&index=44
(EP1 4;10~5:55    ケビンの墓で泣くシオンと、それを見守るアレン 
7:01~7:40 アレンを思い浮かべるシオン)

アレン「主任の代わりに泣いてあげたい。いつか、そうなりたい」。

EP1の段階で既に、アレンにはこんなセリフがあります。
それに対するケイオスの

「優しさは時として人を縛ります」

も、EP3までプレイして振り返ると、感慨深い台詞ですね。
これはアレンではなく、シオンに対する言葉でしょうか。

人間の『愛』には負の側面があります。
「ギアス」にてカレルレンを狂わせたのは、ソフィアへの「愛」であり、ソフィアの「優しさ」でした。
「サーガ」にて、シオンに道を誤らせたのは、ケビンへの「愛」。そして「優しさ」でした。
そして、アルベドが行う数々の行為も根源にあるのは「愛」という感情です。
このような「愛」の負の側面をしっかり描いた上で、その美しさを描こうとする作品はRPGに限ればあまりなく(単に僕が知らないだけかもしれませんが)、そういった意味でも高く評価したい作品群です。



https://www.youtube.com/watch?v=upFB9OYTFyk&index=57&list=PL8E79DAD9EF0CC4C8
(EP1のエンディング 1:13~「Kokoro」)


EP1のエンディングで流れる「Kokoro」の歌詞には、ケビンに対するシオンの気持ちがあらわれています。


http://page.freett.com/xenosaga/tps2_mint1.htm (和訳)




EP1とEP3の間に挟まる形のEP2もまた、「過ぎ去ってしまった愛」と「今ここにある愛」のテーマ。
ここではキャストを代えて、ジュニア、アルベド、モモ、サクラの4人がメインとなります。
ジュニアから見て、サクラは「過ぎ去ってしまった愛」。そしてモモが「今ここにある愛」の象徴であり、
そこにアルベドの「ジュニアへの愛」と「自己愛」が絡んでくるという流れです。


……しかし、個人的にEP2は少々辛かったです。
というのは……カプ厨みたいなことを言って申し訳ないのですが、僕はモモに萌えている一方で
ジュニアがあまり好きじゃありませんで。
EP1でジギー×モモのカップル(というかペア)が良いなぁと思っていたのですが、EP2ではジギーの出番がほとんどなく、ジュニア×モモの話ばかりで……なんでやねん、俺のモモがジュニアなんかと……くっそ、くっそという気分を味わったのであります。
こういう感覚は、小説では経験があるんですがゲームでは後にも先にもこのゼノサーガでしか味わったことがないですね。
加えて、アルベドとジュニアの物語はEP1でも触れていたので(確かに掘り下げが進んでいるとはいえ)「またか」という気持ちもありました。


「ロリコン」&「レイプ魔」&「ホモ」。
まるでゴキブリが空を飛ぶかのようなEP2の最期の姿に象徴されるかのような「小物」であるアルベドを、
EP1のみならずEP2のラスボスにまで抜擢したのは正直どうかと……
は思いましたが、世間で言われているほどクソゲーではないので、「EP2が怖い」という人は安心していいと思います。
アルベドの「歪んだ愛情」描写は確かに見所があると思うのですが、それだけで1本作ったのはちょっと厳しかったかなぁ。


EP3の終盤において、ついにアレンの想いがシオンへと届くシーンがあります。
これが「ゼノサーガ」全体のハイライトと言っていいでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=TFzpc662dYQ
https://www.youtube.com/watch?v=yCC3kZcZFIs

(2つ合わせて10分近くの動画ですが、できれば是非全部を。
とても付き合いきれない方は2つ目の動画だけでも構いません)


ケビンの「愛」は、「自己愛」がほとんどといっていいでしょう。
彼は「自分の気持ち・理想」を押しつける相手として、シオンを「愛」しています。
そんな彼にはシオンの気持ちは解りませんし、解ろうという姿勢もありません。

シオン「私は貴方(ケビン)と一緒にいられればそれで良かった。
たとえ利用されていようと、騙されていようと。貴方の側にいられるなら、それでもいいと思った」

そしてシオンもその事に気づいている。
気づいていながら、ケビンへの想いを捨てきれずにいる。
それは、ケビンが圧倒的にイケメンであり、
自信に溢れる天才でもあるということで、性的なエネルギーが強いからでしょう。
シオン自身も「理性」では解っているのでしょうが、彼女の「感情」を支配するだけの性エネルギーをケビンは持っているのです。
そういう、理性では制御しきれないほどに強い「感情エネルギー」を、「恋」と呼ぶのだと僕は思います。


そんなシオンの心を解かしたのは、ひたむきなアレンの言葉でした。
2つ目のムービーの1;26~の流れにご注目ください。

アレン「僕には解る。主任の悲しみ、苦しみ。今まで一人で、それでも必死に頑張って来た主任の気持ちが」


俯いていたシオンが徐々に顔を上げ、目を見開く彼女の姿がムービーで表現されています。
この言葉、アレンの『共感力』にシオンの心が大きく動かされた瞬間です。


「主任がどれだけ傷ついたのか解らないんだろ。どんなに苦しんだのか、貴方には解らないんだ」

ケビンに最も欠けていて、アレンが最も優れていたのが、この「共感力」でした。
ひたすら一方的に自らのエゴを押しつけるケビンとは違い、アレンには他人の心に寄り添おうとする優しさがあります。


「僕は主任の代わりに泣きたいと思った。主任の傷みを感じたいと思った。僕は……主任と一緒に生きていきたいと思った」


EP1での「主任の代わりに泣いてあげたい。いつか、そうなりたい」。
が、とうとうシオン本人に告げられたのですね。
そんなシオンの返答は、「ケビン」を棄てて、「皆」と一緒になること。

シオン「もう一人になるのはイヤなの」

ここで『一人』と表現されていることが、シオンの気持ちを表していると言えそうです。
『二人(ケビンとシオン)』ではなく、『一人』。
これは推測ですが、ケビンに『共感力』があれば、シオンは『皆』を棄てて『ケビンとの愛』をとったかもしれません。
しかし、ケビンは『幸せを共有』できるような男性ではなかった。
そのことが、シオンの選択に繋がったのだと思います。




さて、個人的に最も好きなシーンはバージルとフェブロニアのエピソードでした。
全部を見ると20分ほどになるのですが、良かったら全部を。
付き合いきれなければ最初の2つは飛ばしていいです。



https://www.youtube.com/watch?v=qUk-0Poo5ds (~4:45)

https://www.youtube.com/watch?v=m_4bC3aimT0 (~2:07)

https://www.youtube.com/watch?v=2lWzIoDkfn0 (フェブロニアの死)

https://www.youtube.com/watch?v=zLi0PiK5f3s (フェブロニアとの再会)


EP1にて、バージルは「レアリエン(生殖機能を持つアンドロイド)差別主義者のいけ好かない男」として登場します。
そんな彼がレアリエンへの差別思想を持ったのは、過去のミルチアで起こったフェブロニアの死によるものでした。

バージル「うるせぇんだよ! 俺がいつまでもてめぇのことを気にかけていると思ったのか?
貴様らレアリエンなんぞに未練はない!」
「俺は何一つ後悔しちゃいない」

4つ目のムービーでは、偽悪的な振る舞いで内心を隠すバージルの気持ちを、
フェブロニアが少しずつ解いていく過程が実に鮮やかに描写されています。
初めはフェブロニアへ攻撃的な言葉を吐いていた彼でしたがフェブの言葉に触れるうち、彼女への気持ちを隠しきることが難しくなり、徐々に追い詰められていきます。

バージル「俺を遺して死んじまった女が今さら何を……!」
「もう俺に関わるな……お前はすでに死んだ女だ……」

そんなバージルの心を慈しむように、フェブロニアが彼を抱きしめると、ついにバージルは本音を語り始めます。

バージル「俺はお前を救えなかったんだぞ……」
フェブロニア「いいえ、私は貴方に救ってもらったわ。
想いを交わすことで、世界の色は変わるんだって教えてもらった。それだけで十分よ」
バージル「お前は俺を恨んではいないのか……? 俺に関わらなければ、こんなことにはならなかった。お前だって……」


攻撃的な態度をとったのは、レアリエンを、フェブロニアを憎んでいたわけではなく。
彼女を救えなかった自分が許せなかったから。
首を振るフェブロニアに、バージルの口をついて出たのは決定的な一言でした。

「そうだ、俺の望みは――フェブ――」


浄化の光に包まれフェブロニアの亡骸を抱えながら、彼女と共に消えていくバージルの姿。
この一連のエピソードは、何度見ても涙を流してしまいます。



以下、感想で拾いきれなかったシーンについてざっと。


EP1

https://www.youtube.com/watch?v=aWf-nXQbV6A&list=PL8E79DAD9EF0CC4C8&index=31
(EP1 2:32~5:23
アンドリュー中佐の最期)

EP1、中盤まで物語を引っ張ってくれる印象深いキャラクター、アンドリュー中佐。
その虚無的な最期は、しみじみとさせられます。

「ここはいい。ここには俺だけが存在している。他はない。怒りも、悲しみも、喜びも、未来もない。
ただ、自分があるだけだ。その自分もやがては溶けていく。心地良い感じだ。
俺はこの感じを求めていたんだ」

バージルの最期と比較すると、その様が際立ちますね……。

https://www.youtube.com/watch?v=FBU0Z3Qzn98&list=PL8E79DAD9EF0CC4C8&index=43
(EP1 3:11~5:47 
グリーンスリーブス。大樹の周りの追いかけっこ)

印象的なシーンの一つです。
人の記憶と、それに縛られ『ループしたまま』、一歩を踏み出せなくなってしまう精神状態が描かれているように思います。
美しさとおぞましさの反転が、とても気に入っています。



RPGにおける感情表現、人の心の描写で、『ゼノ(ギアス&サーガ)』を超える作品は触れたことがありません。
このような作品がもっと増えるといいのになぁ、といつも思います。


あ、ちなみにバトルは可も不可もないです(小並感) 

好きなRPG10選 ②クロノトリガー、ペルソナ4、スターオーシャン2、ドラゴンクエスト4【バレ有り】

【クロノトリガー】  









AD1000年。主人公のクロノが暮らすのは、長く平和が続くそんな時代だ。
王国誕生1000年を祝した盛大なお祭りに、クロノとお忍びでお祭りに参加した王女マールは、クロノの幼馴染ルッカが作った時空転移装置により、過去へと飛ばされてしまう。
そこはAD600年、魔王と呼ばれる存在が王国を危機に陥れていた、そんな時代だった……。


クロノトリガーは、非常に優等生的な作品だと思います。解りやすくて、面白い。
癖も強くなく、それでいて高品質。RPGを好むほとんどの人に掛け値なしに薦められる作品です。

個人的に感銘を受けたのは、時代ごとの密な繋がり。
BC13000年の古代文明から転移してしまった魔法王国の王子が、中世に飛ばされてAD600年で魔王と名乗っていたり。
もっと細かいところで言うなら、AD1000年で嫌らしい野郎(ビネガーだったかな?)がいるんですが、AD600年で彼の先祖にほしにくをあげると、AD1000年ですっかりいい奴になっているばかりか、「昔ご先祖様に親切にしてくださった人がいて~」というようなエピソードを語ってくれたり。


発売が90年代後半ということで、作中のAD1999年にはノストラダムスよろしく、世界を破滅へと追いやるラヴォスという巨大隕石が登場します。
このラヴォスはBC7500万年においても出現していることから、恐竜絶滅をもたらした白亜紀の隕石にかけているわけですね。
BC13000年の古代文明というのも夢があってワクワクします。


魔王の支配するAD600年や、絶望的な未来が拡がるAD2300年などを考えるに、クロノ達の住むAD1000年は何と平和な時代だったのかと、しみじみ感じさせられますね。


バトルはFFなどと同じ、アクティブタイムバトル。
鳥山さんのキャラデザだとどうしてもドラクエのイメージがあるのですが、ドラクエのキャラデザでFFのバトルをやるというのは新鮮で楽しかったです。
ゲーム全体の印象としては、FFよりもドラクエ寄りかな。


文字数が少し寂しいのでどうでもいい話を一つ書きます。
「クロノトリガー」の「クロノ」というのは、「時間」という意味なのですが、
(ギリシャ語で「クロノス」が「時間」だそうです。いまwikiで調べました)当時の僕には「黒の?」という漢字しか思い浮かびませんでした。

「クロノトリガー」というゲームで、主人公の名前が「クロノ」(黒の)。うーん、ダサい。
と思った僕は、主人公に「プラティス」という名前をつけました。
どこから思いついたのかは解りませんが、とりあえずプラティスです。
さて、友人の家でプレイをしたところ、このプラティスという名前が大不評でしてね。
「fee www プラティスってなんだよwwww プギャーwww」ってなもんですわ。

『クッソ、FF7のバレットに「ジャイアン」とかつけてたお前に言われたくねーよ』と頭に来た記憶があります。
うーん、本当にどうでもいい話でしたね!


しかし「クロノ」はまだいいんですが、「魔王」とか「カエル」とか「ロボ」とか、デフォルトネームはもう少しなんとかならなかったのかとは思いました。
2周目では、カエルの名前が「グレン」だと知っていたので、グレンという名前にしたんです。

そうしたら
「私はグレン(カエル)! またの名をグレンだ!!」という台詞が出てきてもう泣くに泣けませんでした。




最後に、音楽もまたこのゲームにおけるウリの一つ。
好きな曲をいくつかご紹介して、紹介記事の筆を置きたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=pDgflOcHNnM (風の憧憬:AD600年のフィールド曲)

https://www.youtube.com/watch?v=EOIfaf2Pcuc (やすらぎの日々:AD1000年のフィールド曲)

https://www.youtube.com/watch?v=mDnr_-Gc-ZI (時の回廊:BC12000年のフィールド曲)










【ペルソナ4】  











一年間の期限付きで、稲羽市へと転校してきた高校二年生の主人公。
そこでは雨の日の午前0時にのみ何者かの姿がテレビに映るという怪現象、「マヨナカテレビ」が噂を集めていた。
マヨナカテレビを実際に見た主人公は、なんとテレビの中に入れることに気づいてしまう。
そして、マヨナカテレビに連動するように、殺人事件が起こり始めるのだった……。


良い意味で「キャラゲー」と言いましょうか。こんな学園生活を送りたかった。こんな青春がしたかった。
そんな気持ちにさせてくれた作品が、この「ペルソナ4」でした。





RPGの主流は異世界での冒険モノだと思うのですが、ペルソナ4は現代日本が舞台、
主人公も(異能に目覚めはするものの)ごく普通の少年です。
彼と共にペルソナを使い、事件解決に乗り出す仲間たちは、気の良い悪友「陽介」や、ノリの良い元気娘「千枝」、お嬢さま然とした「雪子」や元アイドル「りせちー」といった、いずれも『実際に友達にいたら楽しいだろうな』と思える面々ばかり。

そういった仲間たちだけではなく、部活を通して仲良くなった同級生やアルバイトで知り合うナース、同居する親戚の小学生や川原のおばあさんといった、様々な『普通の』人々と絆を深める、
サブエピソードの数々が実に良かったです。


この、サブイベント群は「コミュ」と呼ばれており、主人公は『ダンジョン探索の冒険』だけでなく、『コミュの絆を深め』たり、
『魅力や学力といったパラメータを上げ』たりと、とにかく忙しい。
言ってしまえば、「RPG+ときメモ」なのですが、本家ときメモに比べてやれること・やりたいことが圧倒的に多いんですよね。
今月は早めにダンジョンをクリアしてあのコミュの絆を深めようとか、今月は定期テストがあるから前半は勉強に費やそう~でもそうするとダンジョンはギリギリになるなとか、そういったスケジューリングがとても楽しいのです。
「ときメモ」のように、同年代の女の子と恋人になれるというのも面白いですね。僕は雪ちゃんを恋人にしました。
でもりせちーも捨てがたいよなぁ……。


とりとめなく書きましたが、一言で言うなら「リア充」生活が楽しめるRPG、といえばいいでしょうか。
部活に、バイトに奔走し、友達との絆を深め、夜は仲間たちとダンジョンへ。
上でも書きますが、「こんな青春がしたかった」という願望をそのままプレイできるRPG。
それがペルソナ4でした。


そんなペルソナ4だけに、平日は「とにかく速く家に帰って続きをやりたい」と、そればかり考えていた記憶がありますw
もう、頭の中はペルソナ4でいっぱいなんです。


エンディングでは一年が経過し、主人公は再び転校してしまうわけですが、プレイしている僕も本当に寂しかったです。
永遠のお別れではないけれど、いったん区切りがついてしまうというような。
ゲームをクリアした時の自分の気持ちと重ね合わさって、切ない気持ちになってしまいました。


バトルに関しては、腐ってもペルソナシリーズといいますか、やや難易度が高いです。
とはいえ、初代の頃に比べるとだいぶライト向けになっているとは思います。
また、ペルソナシリーズ全体の特徴として、主人公の扱うペルソナ(簡単に言っちゃえば召喚獣)は世界各国の神話や英雄物語からとられています。
説明文も丁寧に書かれていて大変興味深いので、新しいペルソナを作るたびにせっせと説明文を読んでいました。


なお、前作にあたるペルソナ3も、ペルソナ4とほぼ同システムでとても面白いです。
ただ、キャラの魅力や「青春度」では4の方が好きでした(とはいえ、3も大好きです)。

ペルソナシリーズは2のみ(罪も罰も)未プレイ。機会があれば、やってみたいですね。
PSPで安価で出ているので、やろうと思えばいつでもできるんですが、なかなか。








【スターオーシャンセカンドストーリー】 








遙かな未来。
偉大なる銀河連邦司令ロニキスの息子クロードは、未開の惑星エクスペルで、少女レナと出会う……。


https://www.youtube.com/watch?v=uuKKLixxF4I (クロード編 OP)


と、序盤こそボーイミーツガールSFの傑作臭をふりまく本作ですが、残念なことにストーリーはお薦めできません。十賢者なる、味もそっけもない悪役の跋扈するDisc2に入ってからの展開は茶番に等しく、お話にならない有様です。
主人公をレナとクロードの二人から選べますが、一応、クロード編の方が(まだ)ストーリーは良いと思います。


しかし、本作は『RPGにおいても物語が一番大事!』と考える僕が、その物語を酷評しているにも関わらずトップ10に選びたくなる、それはそれは面白いアクションRPGなのです。
この面白さを文章で表現するのは難しいのですが……縦横、高さだけでなく奥行もあるこのバトルシステムは
「テイルズシリーズ」の平面バトルに慣れた僕には、途方もなく面白く感じられたものでした。
ゲームバランスも実に素晴らしい。
特にDisc2、ミカエル&ハニエル戦。
ミカエルのスピキュールとハニエルの石化攻撃に何度も苦しめられながらも、セリーヌを囮にハニエルを引きつけて見事撃退した時は、本当に達成感に満ち溢れました。
アクションRPGでありながら、単なるゴリ押しではなく、戦略で敵を倒す。最高の勝利でした。
中ボスのルシフェルの厨二病臭さも当時気に入っていましたね。


https://www.youtube.com/watch?v=4Y4IVOGq9sk (ミカエル&ハニエル戦の動画。戦闘画面の参考に)


また、戦闘以外でもアイテムクリエイションは初期のアトリエゲーに並ぶくらい多岐にわたっておりますし、
好感度判定があり、選択肢の選び方によって仲間同士にカップリングが成立したりするのも面白かったです。
(カップルが成立するのは、主人公だけではありません)
僕のクロード君は、初回何故かセリーヌさんとくっついたんだよなぁ……レナを狙ってたのにw

ストーリーは残念でしたがキャラの魅力もなかなかで、レナ、プリシスが好きでした。
性能で言うなら、クロード、レナ、オペラさん、セリーヌさんが強かったですね。
二周したのにエルネストさんが仲間になりませんでした。諦めた。


シナリオがショボい以外の欠点ですが、声優さんの演技がかなり……うーんという感じはします。
たとえばレナ役の久川綾さんですが、レナのキャラクターにしては声が勇ましすぎる気がします。
もっと酷いのはディアス役のベジー……堀川亮さん。ディアスはイケメンのはずなのに、この声はおかしいです。
特に、戦闘開始時の「10秒だ(訳:10秒で片づけてやる)」という台詞があるんですが、この「10秒だ」が妙に上ずってるんですw
「じゅう」の部分が完全に裏声……なぜww

他に、オペラさんがαオンワンという必殺技を放つ時の声が「こきゅー!!」と聞こえるんですが、これ、なんて言ってるんですかね。αオンワンは相当強い技なので、何百回となく使ったのに、結局わかりませんでしたw
あとオペラさん、銃身で敵を殴るのはやめてください……普通に光線銃を撃ってください。



後はそうですね、このゲームの仲間は(付き合っていけばいい奴なんですが)初対面での台詞は結構「ハァ?」と思えるものが多いです。
僕はあまり気にならなかったんですが、気難し屋の友人が、いちいち「ハァ?」と思ったらしくて、仲間の加入を片っ端から断った結果、最終ステージに至ってもロクな仲間がいなくて苦労していたのが地味に面白かったです。



最後に、シリーズの他作品について。
前作にあたる「スターオーシャン1」も結構面白いのでお薦めです。
3は戦闘がめちゃくちゃ大味になっていて、同じ雑魚と闘っているのに
「ずっと俺のターン」(ノーダメ勝利)になることもあれば、「ずっと敵のターン」(回復に追われて何もできず全滅)になることもあるという。先制攻撃を当てて、流れが来るかどうかだけで全く結果が変わってしまうというのは、きついです。
ボス戦ではなく、雑魚戦でそれというのはね。
なお、4は未プレイです(5も出るんでしたっけ)。







【ドラゴンクエスト4】










山奥の村で、幼馴染のシンシアとともに幸せに暮らしていた『勇者』。
しかしその平穏はある日、突然打ち破られることとなった。故郷を失った勇者は、復讐の旅に出る。
勇者と共に、魔を打ち払う七人の導かれし者たちを探しながら。



ドラクエ4は、僕がプレイした2番目のRPG作品です。
1作目が「ドラえもん ギガゾンビの逆襲」なので、オリジナルRPGで初めてプレイした作品はこのドラクエ4ということになります。
RPGをめぐる僕の旅は、このドラクエ4から始まったと言えます。
本作を気に入らなかったら、この「ベスト10」記事で紹介する他の名作群に出会うこともなかったことでしょう。


このゲームで一番心に残ったのは、アッテムト鉱山でしょうか。
もの悲しいBGMの流れるこの鉱山では、石炭の掘りすぎで毒ガスが発生し、人が大量に死んでいます。
毒の沼地が拡がりお墓も立っていて、まさに地獄という感じが出ていてとても怖かったです。
それにも関わらず石炭を掘り続けるという愚かさ。
そして、4章の時点ですでに悲惨だったアッテムト鉱山は、5章では魔王エスタークの存在により更なる地獄へと変貌を遂げます。
今でも、RPGの街で一つ地獄を挙げるとするなら「アッテムト」の名前が浮かぶぐらいの衝撃がありました。



ドラクエ4は、ファミコンのソフトということもあって、色々な小ネタがありました。
たとえばカジノのコインを838861枚購入すると、4ゴールドで買える、というネタがあります。
当時はインターネットなどなかったので、友人から情報をもらうか(リアルタイムでプレイしたわけではないので、こちらから提供できる情報はない)、後は自分で試行錯誤するしかありませんでした。
838861ネタが有名なので今さら意味のない話ですが、実はコイン840000枚は約22000ゴールドで買えます。
これは僕が自力で発見し、父親に伝えました。
父はその後もいろいろ試行錯誤したようで、数週間後、838861という答えにたどり着き僕に教えてくれた記憶があります。
そうそう、勇者につけられる名前は「ひらがな4文字、濁点は1文字」なんですよね。
僕の名前、入らないんですよ……。そんなことも思い出しました。




ドラクエシリーズの大きな魅力として、ノベライズの魅力があります。
今でこそゲームのノベライズは珍しいことではありませんが、以前はゲームノベライズというのは非常に珍しいものだったように思います(……知らなかっただけかもしれませんが)。
高屋敷英夫さんのドラクエ1~3のノベライズ、久美沙織さんの4~6のノベライズはいずれも素晴らしく、一つの小説作品として十分に楽しめるクオリティで、ゲームの世界を大きく広げてくれました。


4のノベライズでは、ピサロの物語に1章ぶんを割く大胆な構成が成功したように思います。
祭りの夜、人間に化けてロザリーとデートをするピサロのシーンがとても印象に残っています。
1章、ホイミンを失ったライアンが静かに泣くシーンも良かったですね。
ストーリー的には、復讐の暗い情念を感じさせる4章が最も好きです。
麻薬に塗れたキングレオ城の描写も相当良かったですね。
あの大陸(名前忘れた……)、地獄が多すぎますわ……。




https://www.youtube.com/watch?v=8ZnDVAeADFE フィールド曲メドレー (4章と5章前半のフィールド曲が一番好き)



余談ですが、ドラクエはエロ同人RPGでも、優れた作品がとても多くて。

中でもsplush waveさんの「ドラゴンマージャンシリーズ」や、
ののの通信さんの「魔王軍へようこそシリーズ」、
甘辛でいこうさんの「スーパードラモンクエスト」など、毎年のようにどこかしらの同人サークルさんで
ドラクエ系の同人RPGが楽しめるんですよね。
本元のドラクエシリーズをプレイしておくことによって、優れた同人RPGを多数楽しむことができる。
これは他のRPGシリーズでは味わえない経験だと思います。


また、ドラクエは「非RPGプレイヤー」の方にも比較的とおりがいいというのもあります。
たまたまかもしれませんが、FFよりもとおりが良い印象があります。
非ヲタの飲み会とかで、「趣味はたまにゲームとかもします」と答えた場合、
「どんなゲームをするんですか?」とか「どんなゲームが好きですか?」と聞かれてまさか「エロゲーです」とは言えません。
そこで、「ドラクエとかをやってます」みたいに答えておくと、結構話が拡がったりするんですよね。
勿論ヲタ同士のコミュニケーションでもドラクエを出して困ることはありませんし、会話ツールとしても良い感じです。



本家のドラクエは8を最後にプレイしていないんですが、TV放送されるたびについ見てしまう映画のようなポジションで、ここまで繰り返し繰り返し触れている作品シリーズは他にありません。
そういう意味でも、愛着のあるシリーズです。


好きなRPG10選 2015年5月版 ①ファイナルファンタジータクティクス、幻想水滸伝2【重バレ有り】

【前置き】

「りんごはおかずだよ」のk-pさんから、『好きなRPGを10作品、理由やエピソード等も添えて挙げてください』というリクエストをいただきました。
プレイ直後の感想を書く機会は多いのですが、プレイ後しばらくしてから振り返る形での感想はほとんど書いてこなかった身として、このようなリクエストはこちらとしても大変ありがたく、良い機会を与えていただけて感謝しております。
同時に、リクエストをいただいてから時間が過ぎてしまったことをお詫びいたします。


言い訳といいますか、注意点としていくつか。


1:ここに挙げた全てのRPGは5年以上前のプレイであるため、細部あやふやなポイントがございます。


2:『RPG』の概念が、僕と他の方とで違っている場合がございます。
ここでは『RPG』、『アクションRPG』、『シミュレーションRPG』の三つを取り上げましたが、僕がRPGだと思っているゲームについて、「それはRPGやない! SLGや!」というツッコミを友人からいただいたこともありました。
僕はSLGとシミュレーションRPGの違いが今一つわからないので、ひょっとすると本記事のゲームでもSLGが混ざってしまっているかもしれません。


3:記事の性質上、ネタバレは避けて通れない……というか本記事はネタバレには全く配慮しておりません。
ネタバレを踏みたくないゲームに関しては、スクロールして飛ばしていただくようお願いいたします。



4:結果として『エロゲRPG』や『ブラウザRPG』は一つもトップ10には入りませんでしたが、『コンシューマーRPG』+『エロゲRPG』+『ブラウザRPG』から選出させていただきました。
(二次創作の同人RPGは候補に入れておりません。もっとも、候補に入っていてもベスト10に入ったかと聞かれると多分入りませんが……)


5:全部で23000文字ととても長い文章になってしまったため、4~5回に分割してお届けします。
その際、関連のあるゲーム同士をまとめたため、紹介する順番と順位が全く一致しておりません。
順位は……順不同でも構いませんが、一応10作品の紹介を終えた後につけた方がいいのかな?


それではよろしくお願いします。



【ファイナルファンタジー タクティクス】  







『五十年戦争』に敗れたイヴァリース王国は、重税により貧富の差が拡大。
更に王位継承権を巡って内乱の兆しが見え、国も民も疲弊し、骸旅団と呼ばれる盗賊団が勢力を拡大していた。
北天騎士団に所属する貴族の御曹司ラムザと、平民出身でラムザの幼馴染でもあるディリータは、初陣として骸旅団の討伐を命じられる。
平民出身でありながら後にイヴァリース国王となるディリータと、その陰に隠れ名を残さぬ名家出身のラムザ。
歴史家アラズラムによれば、ラムザもまた「真の英雄」であるという……。


このイヴァリースという世界は中世のイギリスがモデルであり、
劇中の「五十年戦争」と「獅子戦争」はそれぞれ、「百年戦争」(AD1339~1453)と「薔薇戦争」
(AD1455~1485)が対応するものと思われます。



RPGといえば、一般的には正義を代表するキャラクターが、悪を代表するキャラクターを倒すもの。
子どもの頃の僕はそう思い込んでいたものでした。
「ドラゴンクエスト4」のピサロだとか、あるいは「テイルズオブデスティニー」のイレーヌのように、
単純な正義と悪ではない、立場の違いと呼べるものに出会ったことはありましたが、
*1『主人公側の方がおかしいのではないか?』と思ったゲームはこれが初めてでした。
1章中盤、レナリア台地の中ボス、当時の僕に大きな衝撃を与えたミルウーダの台詞。
FFタクティクスが自分の中で特別なゲームとなったのは、このミルウーダとの戦闘からでした。



ミルウーダ
「貴族がなんだというんだ。私たちは貴族の家畜じゃない!
私たちは人間だわ!貴方たちと同じ人間よ!
私たちと貴方たちの間にどんな差があるっていうの? 生まれた家が違うだけじゃないの!
ひもじい思いをしたことがある? 数ヶ月間も豆だけのスープで暮らしたことがあるの?
なぜ私たちが飢えなければならない? 
それは貴方たち貴族が奪うからだ! 生きる権利のすべてを奪うからだ!」

https://www.youtube.com/watch?v=G9YxA7E477Q (VSミルウーダ戦。会話イベントは6;42~7:27 9;54~10;53など)

(それに対する『味方』側のアルガスの発言は、
「同じ人間だと? ふん、汚らわしい!
生まれた瞬間からお前たちは俺たち貴族に尽くさなければならない。
生まれた瞬間からお前たちは俺たち貴族の家畜なんだ!」)


団長ウィーグラフやその妹であるミルウーダのように理想を追う革命家肌の人間が結成した骸旅団ですが、
組織が大きくなりすぎたためか、単なる追いはぎのような人間も加入するようになり、組織の意思統一が計れなくなっているあたりにも、リアリティを感じます。




魅力的な登場人物が多数存在する本作ですが、中でもディリータには強く惚れ込みました。
身分の違いからラムザと袂を分かった彼は、平民出身でありながらその実力でどんどん出世していきます。
王妃オヴェリアに恋をして、ついに結婚。国王にまで上り詰めた彼でしたが、その結末は恵まれたものではありませんでした。




https://www.youtube.com/watch?v=WpZGq8bpoPg (エンディング)

ディリータとオヴェリアのすれ違いが描かれる切ないエンディングは、
よくある「世界が平和になってめでたしめでたし」のエンディングとは一線を画す、
とても素晴らしいエンディングだったと思います。


ディリータはオヴェリアを愛していました。しかし、その意思がオヴェリアには伝わっていなかった。
ディリータは不器用な性格で言葉足らずな上に、2章以降では他人に弱みを見せまいと、露悪的な振る舞いをしてきました。
一方のオヴェリアはその境遇故か疑ぐり深く、容易に他人を信用できない人でした。
それでもオヴェリアは一時、ディリータを信じました。そしてあるシーンで、裏切られたと誤解してしまったのです。
今まで他人に利用されてばかりだったオヴェリアが、初めて勇気を振り絞って行った自発的な行動。
それは、自分を愛してくれた恋人を刺すことでした。


「気持ちは相手に伝えなければ、届かない。解ってくれるだろう、と甘えてはいけない」ということなのでしょう。
相手に気持ちを伝えることができず、きっと解ってくれるだろうと甘えてしまったディリータ。
そんな彼が、ラムザに対してだけは、オヴェリアへの気持ちを口にした。
誰にも弱みを見せることのない彼が、*2最期に口に出したのは己の人生への悔恨と、先に亡くなったラムザの名前でした。
そんなディリータの生きざまをしみじみと感じた「FFタクティクス」は、紛れもなくバイブル的作品として今も胸に残っています。



ストーリーの感想から、RPGの本分とも呼べるバトルへと話を移しますが、
こちらに関しても素晴らしい出来で、僕がプレイしたシミュレーションRPGの中では現在でもトップです。
敵のいないオープンスペースに魔法を仕込み、ATBのルールを利用して時限式で発火させたり、
味方に攻撃魔法をかけて人間爆弾として突撃させたり、多様な戦術が楽しめました。
他ゲーをDisるのもあれなんですが、このゲームをプレイしてしまうと、「敵がいるマスにしか攻撃魔法が使えないシミュRPG」なんてやってられなくなりますね。


ここまでべた褒めしてきたFFタクティクスですが、欠点も2つほどあります。

まず1つ目はシナリオ面での不満です。
1章では「貴族」VS「平民」という戦いを描き、様々な葛藤を見せてくれた物語でしたが、2章終盤以降、
ルカヴィという正真正銘、単なる邪悪なだけの敵が出てきてしまい、かなり興ざめな事態になります。
サイドストーリーとしては、前述したディリータとオヴェリアの物語や、ダイスダーグやラーグ公、ゴルターナ公などの権力闘争など、十分面白いんですが、肝心のラムザの物語はどうにも……。
1章の終盤で、今までの貴族としての自分が根底から揺らぎ、全てを捨てて逃げ出してしまうところまでは最高だったんですけどねぇ……。

2つ目はバトル面での不満。
4章に入ると、突然バランスブレイクします。
まず、どう考えてもチートとしか思えないオルランドゥの加入。
彼一人で敵を全滅できてしまうのではないかと思えるほどの強さです。
また、この辺りから雑魚敵の赤チョコボが異常に強くなります。
ボスより赤チョコボがヤバいです。赤チョコボが3体ぐらい出たらゲームオーバーです。
しかしこのゲームには「逃げる」というコマンドがなく、ゲームオーバーになったらやり直しなので、
こまめにセーブをしておかないといけません。


この2点は、大ファンである僕でも擁護できる欠点ではありませんが、それでも僕はこの作品が大好きです。


*1 これに関しては、前作にあたる「タクティクスオウガ」でその洗礼を受けた方の方が多いかもしれません。
このへん、僕はプレイ順が逆でして「FFタクティクス」→「タクティクスオウガ」の順でプレイしたことが、FFタクティクスに対する衝撃度を上乗せしている可能性はあります。
ただ、RPGとしての要素は明らかにFFタクティクスの方が上ですし(上=僕の好みとも言います)、やはり「FFタクティクス」の方が好きです。


*2 どうやらこのあと生き残ったようなのですが、僕はここで亡くなったものだと思ってプレイしておりました。
また、個人的にもここで亡くなった方が綺麗だと思うのでこのように書きます。(←なんじゃそりゃw)
また、ラムザは生きている説もあるようですが、こちらもここで亡くなった方が明らかに綺麗だと思います。








 
【幻想水滸伝2】  









長く戦争を続けてきたハイランド王国と都市同盟。
田舎街で仲良く育った主人公(デフォネームなし)と親友のジョウイは、主人公の義姉ナナミに見送られ、
ハイランド王国兵として戦場へと向かう。


同じ理想を目指した主人公とジョウイだったが、数奇な運命を経て「手段の違い」から袂を分かつ。
主人公は、都市同盟のリーダーとして。ジョウイはハイランド皇国のリーダーとして。
『争いのない世界を作る』という想いを共有しながら、互いへの友情を大切にしながら、二人の率いる組織は泥沼の戦争を続けていく…。

https://www.youtube.com/watch?v=vaW3qAqqYVE (OP。回想OPムービーは3;40~)



上で紹介した『FFタクティクス』とよく似たストーリーラインを持つ中華風RPGが、本作「幻想水滸伝2」となります。
RPGで一番好きな作品を挙げろと言われたら、僕は本作を挙げることになるのかなぁ。
ストーリーはFFタクティクスと違い最後まで失速せず、バトルも最後までバランスは崩壊せず、アイテムクリエイション(料理)要素も楽しめ……と、全てにおいてハイレベルで、欠点らしい欠点も全く思いつきません。
特に素晴らしいのはストーリーと、キャラクターでしょうか。





性格に違いはあれど、『FFタクティクス』のディリータとジョウイの立ち位置には非常な類似点が見受けられます。
まず、主人公の幼馴染であり親友であること。そして、その友情を最後まで失わない事。
にも関わらず立場の違いから、二人は共闘することができない事。
王女に恋をし、結婚をすること(で王になる)も同じです。
違うのは、対立しているようでいて直接刃を交えないディリータとは違い、ジョウイは紛うことなき敵組織のリーダーになっていることでしょうか。


このゲーム内では言うに及ばず、僕がプレイした全RPG中で最も凶悪なオーラを放っている敵が、中ボスにあたるルカ・ブライトです。


https://www.youtube.com/watch?v=KsGZekog5M0(ルカの名シーンの一つ「豚は死ね」)

http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88
(ニコニコ大百科 ルカ・ブライトまとめ)


RPGにおいて、背筋が震えるような恐ろしさを感じた敵はそうそういるものではありません。
(他にはゼノギアスのグラーフと、パラサイトイヴのボスに感じましたが、後者はホラー的な意味合いが強く、純粋に物語の力で恐怖を覚えたのはルカとグラーフだけですね)

ここまで鮮烈なインパクトを持つ敵をラスボスではなく中ボスに持ってきた設計。
にも関わらず、物語の速度は彼が退場した後もまるで衰えなかったことには感嘆を禁じえません。


本作の物語をより読み応えのあるものにしているのは、軍師たちの智謀戦。
前作(幻水1)のマッシュ・シルバーバーグの智謀も相当読みごたえがありましたが、本作のシュウの格好良さも特筆に値すると思います。
そして前作以上に盛り上がるのが、敵軍にもレオン・シルバーバーグという稀代の名軍師がおり、奇策同士が火花を散らす様は読んでいて全く飽きません。
「三国志演義」の諸葛孔明VS司馬懿のような、両頭脳の競い合いもまた「幻想水滸伝2」を大いに盛り上げてくれました。


このゲームで印象的なシーンの一つに、『逃亡ルート』があります。
悲しいことが続き、都市同盟のリーダーであることに押しつぶされそうな主人公を見かねて、義姉のナナミが「逃げよう」と提案するシーンです。


https://www.youtube.com/watch?v=PEPUXlHLkME (4:52~6:25 ナナミの提案。この動画、主人公の名前が「ゲンカクのむすこ」だったり、軍の名前が「なさけない軍」だったりして折角の名シーンが興ざめなんですが、他に動画が見つからないのでやむなく)

https://www.youtube.com/watch?v=HlfeWddgJTQ (0:00~3:20 シュウのビンタ 5:46~6:35 ビクトールの出迎え)


この決断のせいで、リドリー将軍は亡くなってしまいます。
けれど、全てを捨てて責任から逃げ出したくなってしまう気持ちは強くわかりますし、苦しむ主人公を誰よりも側で見守ってきたナナミの気持ちが、痛いほどに伝わってくる名シーンです。
主人公に手を上げるシュウ。そして、帰ってきた主人公を何の屈託もなげに出迎えるビクトールの優しさ。


前向きな選択肢を選び続ければ見ることのできないシーンですが、幻水2の物語に更なる深みを与えた名シーンだと思います。



シュウの名場面と言えば真エンディングのこれも印象深いです。
軍師としての活躍だけでなくドラマシーンにおいても印象に残る彼の姿は、
RPGとしての面白さだけでなく、ストーリーでも記憶に残る本作にそのまま重なります。

https://www.youtube.com/watch?v=DaE_89ChP34 (8:20~ シュウの出迎えとナナミの想い)



もう一つ、個人的に大好きなのがグリンヒルのイベントです。
グリンヒル市は名市長テレーズのもと、長らくハイランド皇国の侵攻に抵抗してきました。
ところが、近隣のミューズ市が陥落。ミューズの難民がグリンヒル市に流れ込んできます。
ハイランド皇国は難民狩りはせず、敢えて難民がグリンヒルへたどり着くに任せるのです。
テレーズはハイランドの目論みを知ってなお、難民を見殺しにはできないとグリンヒルに迎え入れます。

結果グリンヒルは食糧難に陥り、ミューズ難民とグリンヒル市民の対立も発生、とうとうグリンヒルはハイランドに破られてしまいます。
そのグリンヒル陥落の際、テレーズを守るために市民が立ち上がるイベントが僕はとても好きでした。
多分、「幻水2の名シーン!」的な括りではないと思うのですが、こうした1つ1つの街、1つ1つのサブイベントにも
感情を動かす力がある。
幻想水滸伝2は本当によくできた物語だったと思います。


https://www.youtube.com/watch?v=qHKnvC0rhxs (グリンヒル陥落 0;37~2:20)


ちなみに、前作「幻想水滸伝1」も非常に素晴らしいRPGです。
絵柄が多少古いのと、ゲームバランスが相当簡単なことは欠点かもしれませんが、是非お薦めしたいです。
「2」を制作したスタッフによる、重厚なストーリーは「1」でもしっかり味わうことができます。

ストーリーは独立しているので2からプレイしても楽しめますが、共通キャラが多く、前作をプレイしているといろいろニヤリとできますので、もしできるようならば1からのプレイを推奨いたします。



なお、3以降はやらなくていいと思います。
3はクソゲー。4は途中で投げてしまったので解りませんが、途中まではクソゲーでした。

5は、RPGの水準レベルには達していると思いますが、1や2に比べると相当見劣りがします。
具体的にどこが違うかと聞かれると、1や2では「軍師たちの智謀戦」で敵を打ち破るのですが、
5は「敵のくだらない失策による自滅」が繰り返されているだけなのです。


5の物語を、1や2のスタッフが手がけたらきっとすごく面白いものになったと思うのですが……。


 
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