ではまず10位から。
10位……ブランコの少女/リチャード・アダムス
幻想的なヒロイン、カリンの存在が脳裏に焼きつく本作が10位。
狂気の愛に溺れていく姿が印象的でした。
9位……死の接吻/アイラ・レヴィン
極めてテクニカルな作品で、作家の技巧をこれでもかと味わえる名作です。
サスペンス・ミステリー小説を書きたい人は必読かも。
8位……アイ・アム・レジェンド/リチャード・マシスン
本当に怖いのは「人間」というとありきたりに思えるけれど、今作はとにかくひねりが効いています。
ライトノベルのようにスイスイ読めて、面白い! 映画は全くの駄作なので、小説を読みましょう。
7位……真夜中の滑降/アーウィン・ショー
ちょっと不思議で心温まる、男同士の友情物語が7位。
大きく変わったことは起こらなくても、人生は素敵だと思える一品。
6位……スキャナー・ダークリー/フィリップ・K・ディック
実際に薬物経験があり、薬物で多くの友人を失った著者が描いた、
奇妙、滑稽、それでいて物悲しい麻薬世界。ずしりと胸に重いけれど、名作。
5位……ウォーターシップダウンのうさぎたち/リチャード・アダムス
新しい居場所を求めて旅をするウサギたち。動物ファンタジーの傑作。
4位……渚にて/ネビル・シュート
世界崩壊モノの白眉。心優しい人々が過ごす、地球最後の日。泣けます。
この小説を長編ドラマにした「End of World」も名作です。
3位……水源/アイン・ランド
極めて感染力の強い、禁断の思想書。AVを見て性犯罪なんてあり得ないと思っている僕でも、
この本に影響されて犯罪を犯す者が出てもおかしくないと思えてしまう、読者の心が試される傑作。
2位……キング・ラット/ジェームズ・クラベル
戦争が生み出した楽園と、その崩壊。このような切り口で戦争を捉えた小説は珍しいと言える。
青春小説としても素晴らしい。
1位……君たちはどう生きるか/吉野源三郎
第二次世界大戦前夜の日本で、本当に大切なことを伝えたいという願いが生んだ傑作。
今読んでも決して古びない面白さと、メッセージ。中学生の頃に読みたかった。
2011年もたくさんの本を読む予定ですが、2009・2010年に比べれば、分量自体は減るかもしれません。
09~10の2年間は、『乱読』に力を入れた年でした。
自分の今まで読んだことのないような小説を中心に、様々な作品に触れようと、自分の興味のなかったジャンルにも敢えて手を出してみる期間として設定しました。読書以外の趣味をかなり犠牲にして、これだけの冊数を読むことができました。
その『乱読計画』は2011年2月あたりに(当初は2010年12月終了予定でしたので、また延びるかもしれませんが:笑)、一旦終了という形になります。
その後は、あくまで趣味のうちの1つとして読書を続けるという形になります。
とはいえ、今回の『乱読』で、自分の読書熱も再燃してまいりました。
『乱読リスト』に入れていなかった、普段から読んでいるタイプの本。
『乱読リスト』で初めて触れ、気に入った作家の本、読みたい本は幾らでもあります。
そんなわけで、2011年も皆様、よろしくお願いします。